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chapter Ⅱ
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side 黎
家から二十分程かけて着いたのは全てが
無駄にデカイ学校だった。
「流石にデカイですね」
感心したように零した雪と俺の
視線の先には大きな門があった。
が、しっかり施錠されている。
「あぁ、カードを翳せば開くようです」
少し考え込んでから、
雪が制服のポケットから取り出した
カードを門の端についている機械に
翳すとゆっくり門が開いた。
カードは事前に渡されていた生徒証、
だった気がする。
「失礼ですが八城 悠季(やしろ ゆうき)
さんと八城 冬李(やしろ とうり)さん
でしょうか?」
門の内側に足を踏み入れた途端、
眼鏡の青年が近づいてきた。
制服を着ているからここの生徒だろうし
既に俺たちの偽名を知ってるなら
学園でそれなりの地位の奴だろう。
「ええ、そうですが。貴方は?」
「これは失礼しました。私、生徒会副会長の
秋山 秀(あきやま しゅう)と申します。
理事長より編入生の案内を、と」
丁寧な所作で一礼した副会長は
貼り付けた笑みを俺達に向けた。
『似非』
ここにも、似非紳士がいる。
雪と良い勝負かもしれない。
「え?何か言いましたか?」
「それより、案内をお願い出来ますか?」
「そう、ですね。こちらへ」
俺の呟きが聞こえなかったらしく
聞き返してきたが雪が遮ぎった。
納得、したわけではなさそうだが
雪に促されて自分の仕事を思い出したのか
副会長は先立って歩き出した。
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