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chapter Ⅱ ※流血あり
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side 黎
部屋に入ってすぐ口を軽くすすいだ。
口内に血の味が広がっているから。
雪は何がしたかったのか。
ーもっと自覚を持ってー
ふとよみがえった雪の言葉。
困ったような、怒ったような、
複雑な表情(カオ)をしていた。
俺は別に自意識過剰ではないけど
その辺の一般人よりは強いと思ってる。
襲われたところで抵抗可能だし
反撃も可能だ。
『はぁ...どうでもいい』
考える、という行為の面倒臭さに
思考が停止する。
今は雪よりも荷ほどきが優先だ。
玄関に置いてあった荷物を
手に中へ進む。
軽く部屋の構造を見て回った。
部屋は2つ、リビングにキッチン、
風呂も付いていた。
リビングの左右側の部屋は寝室らしく
ベッドとクローゼットがあり、
先に送ってあった荷物がおいてあった。
念のため全室調べたが盗聴、盗撮、
危険物の類いは無かった。
仕事柄ベッドの下に爆弾が、
とかあるし。
取りあえず右の部屋で
予備の制服をクローゼットに
本や教科書類は机に置き、
カラコンだけ取ってベッドに倒れ込む。
その内雪が呼びに来るだろうけど
眠いから寝る。
学校とか、ほんとめんどくさい。
学力の低い金持ちの馬鹿と
仲良しごっこしろっていうわけ?
無意識に首に置いた手。
ギリギリと爪が首に食い込む。
ブツッと皮膚が破れて血が
首筋を伝う。
イライラすると無意識にやってしまう
癖だった。
ぐりぐりと何度も傷を抉り、
傷口を開く。
ツン、と鼻をつく鉄の臭いに安堵を
してしまう俺も、大概だな....
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