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chapter Ⅲ
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side 黎
朝の珈琲を飲み終わって雪と
向かった職員室に居たのは
「おー、お前らが噂の。ふーん?」
教師、ではなくホストだった。
だらしなくシャツの前が開いてる。
茶髪に切れ長の目、いくつものピアス
がついている両耳、臭い程の香水。
半径三メートル以内に近づかないで
ほしい。
「まぁまぁ悪くねぇ顔だ」
上から下まで舐め回すように
雪を眺めるホスト。
髪は茶染め、黒のカラコンで雪本来の姿は
隠していても顔の良さは隠れていない。
俺も黒染め黒のカラコンで変装してる。
今は、だて眼鏡も着用中。
黒縁の大きめな眼鏡。地味。
朝、雪に無理矢理つけさせられた。
「先生?そろそろ教室に....」
「なぁ、お前俺のセフレにならないか?」
「お断りします」
即答したな。当然か、大嫌いな
誰かさんにそっくりだし。
「チッ俺様の誘いを断るなんて....
まぁいいすぐに後悔するぞ」
苦々しく歪めた顔で吐き捨てたのは
どこぞの雑魚悪役顔負けのセリフ。
雪も笑いを噛み殺してる。
俺達を置いてさっさと歩き出した
ホストについて行った先では
ガヤガヤ煩いクラス。
帰りたい。
「うるせぇお前ら。今すぐ黙らねぇと
減点にすっぞ」
「「キャー!!!先生抱いてー!!!」」
ホストが吐いた暴言に対して
返ってきた歓声(悲鳴)に空間が揺れた。
何、このクラスドMばっかなの?
こんなに煩いとか聞いてない。
「れ....悠、帰っちゃ駄目だよ?」
『チッ』
踵を返した途端飛んできた雪の言葉に
何とか踏みとどまる。
振り返えれば苦笑している雪。
「今日は編入生が来ている。入れ」
「先に入るね」
『はぁ....』
転校生、という単語に反応したらしく
再び煩くなっているクラス。
それでも雪が先に入ると一瞬静まり返った
ので俺も隣に並ぶ。
「編入生だ。おい、自己紹介」
「八城 冬李です」
『八城 悠季です』
ホストの適当な説明。
よろしく、なんてするつもりは俺も雪も
一切ない。
何事もなく過ごせれば、それでいい。
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