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chapter Ⅴ
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side 雪
まだ夜も開けぬ早朝、
本家からの移動中特にすることもなく
車の座席で静かに眠っている黎を
眺めていた。
普段の無気力さからは考えられない程
昨日の黎は激しかった。
心なしか僅かに上がっていた口角。
え?あぁ、そっちの意味じゃないよ?
昨日、頭の怒りに触れたある組を潰す
為にわざわざ変装して暴れに行った
んだけどさ、
余程ストレスが溜まってたのか
片っ端から素手で伸し、
倒れた奴を容赦なく踏み越えてた....
最後に組長を落とす時なんてさ、
殺さないために急所は外したくせに
出血多量で死にかけるような
脇腹狙ってたし...
まぁオレもいろんな顔が見れて
楽しかったけどね!
「黎、そろそろ着くよ」
『近い』
「えー?そう?」
わざと耳元で話しかけたら睨まれた。
怖いなぁ....
「まだ夜明けだし人気は少ないと思うけど
念のため今日は裏門からね」
『はぁ...』
「ほらほら着いたってば」
学園に着いた後は遠回りなのを
嫌がる黎をなんとか寮まで引っ張った。
部屋に入ってすぐ寝室に消えた黎に
習い、オレもベッドに倒れ込んだ。
昨日の新歓終了後すぐに着替えて移動、
と中々ハードだった上、
本家に戻ったら頭に付き合わされて
朝まで飲み倒したのだ。
全然酔わない黎はともかく
オレは起きたら二日酔い確定だな。
なんて沈みゆく意識の中で考えていた。
side 雪 END
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