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chapter Ⅴ
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side ?
その人は、とても静かな人。
無口で、無表情で、無関心。
唯一反応を示すのは、兄という
存在だけ。
授業中は外を眺めるか寝てる。
細身で、色白で、大きめな眼鏡と
前髪が顔を隠してしまう。
だけどとても綺麗な声をしていた。
普段使われていないこの教室で
その人が、今、目の前で
ーーーーー襲われそうになっている。
「コイツ、何も抵抗しないんだけど?」
「怖くて何も出来ないんじゃね?」
「えー、慣れてるクソビッチかもよ?」
数人の屈強な男達が、組強いている
のは八城 悠季くん。
元々細いのが、男達のせいで
更に細く見える。
僕は、非力で、何も出来ない。
「ちょっと、無駄話はいいから
さっさとヤっちゃってよ」
「はいはい、分かってるよ」
机に腰かけてイライラしながら
奈吐き捨てたこの人は、
僕が所属している親衛隊の
隊長さん。
凄く可愛い顔の人で、人柄もいいと
評判の人。
だけど本当は凄く怖い人なんだ。
今みたいに気に入らない人を
自分で雇った男達に襲わせて、
その様子をビデオに撮って、脅す。
見張りや逃亡防止の為に、
僕たち見たいな隊員も引き連れて。
ビリビリっ
「ヒュー、いい体してるねぇ」
「肌白すぎじゃないか?」
「顔はまぁまぁだけど勃つかな....」
無理矢理引き裂かれたシャツが
無惨に散る。
剥き出しにされたは意外にも
筋肉がついていた。
どうして、なにも抵抗しないんだろう?
この部屋に引きずり込まれたときも
悲鳴ひとつ上げなかった。
二人が押さえつけ、一人が馬乗りになった。
『重い』
「は?」
やっと開かれた彼の口から零れた
言葉に、目を見開く。
それは恐怖でも、怒りでもない。
.......とても短い感想だった。
ゾクッ!
思わず体が震えた。
今のは、何だろう?
今見えた、がらんどうの瞳。
硝子玉のように空虚で、冷たい。
本当に、彼は人間だろうか?
そんな考えが、頭をよぎる。
そのときだった。聞こえるばすのない
音が聴こえたのは。
ガチャッ
「何で....」
呟いたのは、誰だったか。
「何、してるの?」
「か、かける様っ、これは、違くてっ」
隊長の驚きの表情は、すぐに青ざめた。
開かれたドアの向こうに立っていたのが
秋月様だったから...
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