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chapter Ⅵ
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side 秀
カタカタカタッ
「このっ」
必死でキーボードを叩き続けるが
愛用のパソコンは何も反応しない。
ダンッ
「くそっ」
苛つき任せに蹴り上げた机がひっくり返り
物が辺りに散乱した。
それでも納まらない怒りに
足元に転がっていたクッションを
踏み躙る。
俺が...この俺が逆にやられるなんて。
アイツ程じゃないにしろ、それなりに
ハッキングの腕はあると思っていた。
なのに、ウィルスに感染させられた上
データを全て消された。
ご丁寧にバックアップまで!
この様子だと個人情報まで流出されてる
可能性がある。
「アイツに頼むか」
今回のはオレ一人じゃ手に余る。
こういうのは専門に任せよう。
「もしもし?ちょっといいかな?」
電話をかけて十分後、待ち人は来ない。
三十分後...まだ来ない。
いちじか、ピンポーン....来た。
「いらっしゃい、遅かったね。心配したよ」
「心にも無いことを言うもんじゃねぇよ、
秀」
「心にも無いって...酷いなぁ」
折角人が笑顔で迎えて上げたのに。
呆れたような視線をよこす薫を部屋に上げ
座るように促す。
「珈琲でいいよね?」
「ブラックね~」
「はいはい」
自分には紅茶、薫には珈琲を淹れて
リビングに運ぶ。
「それで?わざわざ俺を呼んだんだ、
それなりの理由でしょーよ」
「うん。多分俺じゃ手に負えないからね。」
にっこり微笑んで、紅茶に口を付ける。
さて、中々面白くなってきた....
side 秀 END
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