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chapter Ⅵ
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side 雪
黎の寝室が、ビリビリと肌を刺すような
殺気で満たされている。
まぁ原因は俺とコイツなんだけど。
「「ほんと最悪...」」
こんな奴とセリフが被るなんて、
ほんっとにイライラする。
「君、馬鹿なの?頭沸いてる?」
「お前こそヤり過ぎで
頭腐ってんじゃねぇの?」
「君よりマシだと思うけど?」
「こっちのセリフだ」
「「チッ」」
挙げ句の果てには舌打ちまで被る始末。
早くここから出て一秒でも早く
こいつから離れたい。
黎にここに閉じ込められてから
一時間近く経っただろうか。
よりにもよって何でコイツとなんだ....
仲良くなるまで出さないから、
って言われたし...
ヤってる最中に部屋に入った挙げ句
口喧嘩を始めて機嫌をそこねたのは
確かに俺達だし、低い声で言われたら
頷くしかないでしょ。
一緒に居るだけで吐き気がするし
甘ったるい香水も気持ち悪いし
視界に入ってくるのも気に入らない。
いっそ扉を蹴破って出てしまおうか。
そんなことをしたら葵さんに
怒られそうだけど
そんな考えがよぎる程度には
耐え難い時間だ。
「「黎...」」
隣の部屋に人気(ひとけ)が一切ないから
恐らく寮から出てるんだろう。
はぁ、一人で居させると
何に巻き込まれるか....
やっぱどうにかしてここから出るしか
なさそうだな。
side 雪 END
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