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chapter Ⅷ
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近づくにつれて大きくなるオト。
怒声に混じって聞こえる呻き声や悲鳴。
恐らくどこかの族が抗争中なのだろう。
少し離れた所で足を止める。
「近所メイワクだよねぇ?」
『お前も』
「俺も!?」
『顔煩い』
「酷いっ!」
しくしくと泣き真似を始めた馬鹿は
放っておいてスマホをタップする。
「はいはいこちらレイ様専属情報屋の
琥珀でゴザイマース!」
『今日抗争中なのは?』
「無視なの?んー.....今日はね、金と銀だよ」
『ん』
「だか、」
ブツリと強制終了。
欲しい情報は手に入った。
俺達のテリトリーで暴れてもらっては困る。
「はっ、こんな手緩いお遊びのために
俺達の手を煩わせないでよね」
失笑と共に口角を上げる雪。
冷えきった瞳が三日月のごとく歪み、
殺気がピリピリと肌を刺激する。
雪は自分の力量を理解していない奴が
何より嫌いだ。
『早く』
「はいはーい」
紅いカラコンと黒い手袋を嵌め、
コートのフードを深くかぶり、
口元を黒いマスクで覆う。
夜の俺達はこのスタイルが多い。
全身真っ黒で、瞳だけが紅い。
付いたあだ名は....
「ぶ、ブラックハウンドだっ!」
「なっ、どうしてこんなところに!?」
黒い番犬だとさ。
まぁ、ある意味間違ってないけどね?
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