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chapter Ⅸ
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side 黎
「明日はテストだからサボんなよ~」
「「先生抱いてー!!」」
「俺はもっと美形が好みなんだよ」
この一連の流れはSHRの日課であり
一ヶ月もいれば聞き流せる程度には慣れた。
ホストが教師をしている意味は謎だが
未だに雪を諦めていないらしく
美形、と言った所で雪に視線を飛ばす。
が、当の本人は隣のチワワと会話中で
綺麗にスルーしている。
そんな雪を見て不機嫌そうに舌打ちを残す
のも最早日課である。
「悠、これから図書室に寄っていい?」
『ん』
「ありがと。すぐ済ませるから」
教室で風紀の仕事があるらしい二人と
別れた後、いきなりの進路変更。
今の状況で断る理由はない。
後をつけられている、今は。
今回のお客様は殴って黙らせるには
少し面倒な方なので。
人気の無いところで、ね。
微かなバイブ音がポケットから伝わった。
どうやらお願いしたことも終わった
ようなので心置きなく話せることだろう。
まぁ、話すのは俺じゃなくて雪だけど。
「あれ?係の人いないのかな?」
...
無人の図書室に足を踏み入れると
さも不思議そうな雪の声が響く。
その間に俺は少し離れた窓際の席に移動し
顔を伏せる。
「ごめんね、僕が人払いしたんだ」
開かれた扉と同時に聞こえてきた声の主は
予想通りなら
「二度めましてですね、副会長の秋山です」
釣られた魚は、どっちでしょーか?
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