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chapter Ⅹ
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作)八万アクセス突破!感謝です!
side 黎
「とうちゃーく!」
駅で拾ったタクシーに乗ること一時間。
降り立ったのは喧騒のど真ん中。
「えーっと、ここって....」
『....は?』
絶えることなく人が行き交い、
騒がしい音楽と目がチカチカする
飾りつけ。
「実はねー、このテーマパークのフリーパス
を愛翔の家が毎年大量にくれるんだ。
丁度良かったよ」
「どうせ俺達じゃ消費しきれない」
「そ、そうなんだ.....凄いね」
引きつる口元を必死で直す雪。
当然だ。俺達のような人間にとって
このような場はご法度だ。
後ろから刺されたとしても
すぐに紛れてしまうし
こう人が多くては身動きがとりずらい。
当然来たとこは一度もない。
「.....一応変装中だしオレ達がここにいる事
は誰も知らない。派手なことさえ
しなければ多分大丈夫」
『長居はしない』
「その方が良さそうだね」
マップを覗き込んでる二人から少し離れて
小声で話す。
よりにもよってこんな人ゴミにくるとは。
「二人ともどうしたの?早く選ばないと
決めちゃうよ?」
「あー、オレ達来るの初めてでさ、
とりあえずオススメのをお願いしたいな」
「そうなの?もったいない、楽しいのに。
これからはいつでも来れるね!」
何がそんなに楽しいのか笑顔のチワワ。
動きに合わせて揺れるウサ耳。
先ほど気づいたが尻尾もついていた。
「じゃあ先ずはここ行こう!」
走り出すチワワを苦笑しながら追う大型犬
を目印に仕方なく歩みを進める。
こんな朝っぱらからどうしてそんなに
元気なんだ、このチワワは。
「無事に帰れるかな?」
だからそんな雪の呟きがフラグ化するのは
もう少し先の話。
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