アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
chapter Ⅰ
-
side 雪
「相変わらず派手ですね....」
「黎を止めるのは至難の技だからねぇ」
「処理する我々の身にもなって頂きたい」
「ははっ、そういう割に楽しそうだけど?」
「ふっ、そうかもしれません....なにしろ、」
久々に会えるんですから、と笑みを深める
目の前の男。
心なしかその声音は弾んでいた。
きっちり着込まれたスーツ、鈍く光る銀縁、
そして両手を覆う黒革の手袋。
緩やかに撫で付けられた黒髪。
足元に置かれたアタッシュケース。
「いいの?異対(いたい)なのに」
「今更ですね。異例犯罪対策課は私に
一任されています。というか彼の為に
作ったようなものですから」
「やれやれ、我がご主人様はタラシだなぁ」
「そこもまた、彼の魅力ですよ」
そして、胸元のバッジ。
この男が俺達と正反対の存在である証。
20代にして警視正の肩書きを持つ、
まさに異例の男だ。
ついでに言うと、黎大好き人間だ。
黎の為に警察に入り、自由に動ける
地位と権力を手にした。
裏でサポートをするための、な。
「さて、そろそろですね。また後ほど」
「後でね。よろしく頼むよ、イロ」
「分かっています」
一瞬だけ交わった視線。
同時に弧を描いた口元が互いの意思を示す。
ほんと、天然タラシだよねぇ..黎は
side 雪 END
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
126 / 167