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chapter Ⅲ
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side 黎
ズズ…ズズ…
重い。
まったく、意識のない人間はこれだから嫌なんだ。
一応袋に入れはしたが、このままでは破けるな。
分解して頭だけ持ってくれば良かったか?
いや、雪に怒られそうだ。
『めんどくさ…』
仕事じゃなきゃ、雪に全部押し付けるのに。
仕方なく担ぎ直…す前に半身(はんみ)になる。
「悠季、くん?」
見覚えのある二人組が駆け寄ってきた。
何も返さずにいると、視線が足元の袋に
移った。
微かに強張ったところを見ると、確証はなくとも中身が何なのか分かったらしい。
勘のいい人間は面倒だ。
「今日は学校休みじゃなかったんだね。
冬季くんは?一緒じゃないの?」
『見ての通りだ』
「そうなんだ、ねえ、その『聞きたいの
か?』っ」
普段より数段高い声。落ち着きのない視線。
閉じることのない口。
何かを隠したい人間の動作だ。
『そっちの奴みたいに大人しくしていれば、
すぐに終わる』
「すぐって、何するの?」
『聞こえなかったか?』
「っ、僕は黙らないよ。友達が、危ない目に
合ってるのに黙って見てるなんて、
僕には出来ない」
友達、ね。何故そんなに拘る?
というかコイツ、馬鹿か?
どう見たって’’危ない’’のは俺だ。
「むっ!僕馬鹿じゃないからね!」
心底どうでもいい。
さっさと消えてくれないだろうか。
つい冷めた視線を送ると、大型犬が
庇うようにチワワの前に出た。
『へえ?お友達って警戒されるべき
存在なわけ?』
「ちがっ『わない』」
『君らがこうして俺を足止めしてる間に何人
死ぬと思う?』
「どういうこと」
『中では楽しいDEATH GAMEの真っ最中。
人質は閉じ込められてる全校生徒並びに
教師。賭けられているのは生徒会の命。
じゃあ、何で俺は知ってるんだろうな?』
「…」
やっと黙ったか。
これで、どう解釈しても俺は危険だと判断できただろう。
最悪バラされたところで大した問題じゃない。再び歩き出した背中に突き刺さる視線は無視した。
作者)しばらく放置しててごめんなさい!
ちょっとやる気スイッチが消失してました。
まだ入りきってないから亀更新になるかと思います。
申し訳ありません!!!!!
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