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決戦は甘い賭け 15
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嘘……。嘘だろ。
なんで勃ってるんだ。
すると、新藤は愉しそうに笑いながら意味深にそこを撫でた。
「ん……さ、触るなっ……」
「こんなに明確に反応しちゃってるから、僕の勝ち」
「そ、そんなはずない」
「自分でもわかってるんだろ? なんなら直に見てやろうか?」
ありえない。
男にキスされて勃つなんて終わってる。
……いや、ちょっと気持ちよかったけど。
でも、勃つほどとは思わなかった。
「これ降りたら、約束通りに家に連れて帰るから」
そう、新藤は耳元で囁くように言ったんだ。
「……お前の家に行くのかよ」
「そうだよ。何? 千秋の家に連れ帰ってくれるの?」
「バカなこと言うな。でも、家の人とか……」
「両親は昨日から2泊3日の温泉旅行に行ってるし、姉貴はこれ見よがしに外泊してるから家には僕だけ」
つまり2人きり?
新藤は何か仕掛けてくる気なんだろうか。
まさか、本気でヤろうとか言うつもりじゃ……。
いや、新藤ならありえる話だ。
まさか、帰ってすぐに尻の穴に入れろなんて迫られるとか……。
いやいやいやいや。
大切な童貞喪失を男で迎えていいのか?
こんなことなら、プロでもなんでも喪失しておけばよかった。
って、考えすぎだ。
きっと、またきっとからかわれているんだ。
かなり手が込んでいるけどさ……。
ぐるぐると考えていると、観覧車は地上に戻ってきてしまった。
「さ、行こうか」
手を引かれるまま観覧車を降りて、そのまま遊園地を後にする。
そして、そのまま新藤の家に向かうことになってしまった。
──どうなるんだ、俺は。
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