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俺だけがいない 6
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「また小言をいわれてもしらねぇからな」
内川はそう言って呆れた顔をしていたけど。
今日はむしろ注意させる為なんだから、黙って見てろ! って思う。
俺は確信している。
そうしていると、どんどん新藤が近づいてきた。
校則違反を見逃せないお前のことだ。
これで、お前は俺に話しかけるし……か、なく……なる。
…………そう、思っていたのに。
新藤は俺の派手な柄シャツなんて見向きもせず、視線すら向けず……。
ただ、まっすぐに前だけ見て俺の横を通り過ぎて行った。
えっ⁉︎ なんで⁉︎
俺は振り向いて、新藤を目で追っていると。
「良かったな。何もいわれなくて」
「お、おう……」
ほとんど内川の話は耳に入らず、空返事しながら新藤の後ろ姿を追う。
なんで……。なんでだよ!
なんで、何も言わねぇんだよ!?
俺、柄シャツなんだぞ!
めちゃくちゃ派手な柄シャツなんだぞ!?
チッと俺は舌打ちして、教室に行こうと振り返ったとき……。
「か~し~わ~ぎ~、なんだそのシャツは~」
そこには生徒指導の山瀬が……。
やばい……。
新藤に注意されることしか頭になくて、山瀬のことを忘れていた。
「そんなシャツ着て来ていいと思ってんのか」
「い、いや……今日は間違えて。脱ぐから、今すぐ脱ぐから」
「いいや、生徒指導室に来い」
「う、内川~」
内川は山瀬に捕まっている俺を避けるようにそそくさと階段を上っていく。
この、裏切り者めぇ~。
それから俺は山瀬に引きずられながら生徒指導室に連れていかれて、みっちり山瀬の説教を受けた。
それもこれも、全部新藤が悪いんだ。
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