アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺だけがいない 7
-
げっそりして教室に戻ると。
今度はなぜか新藤の席の周りに女子が集まっている。
「あれ、どうしたんだ?」
席に戻って内川に聞くと、なんでも新藤が勉強を教えてあげているらしい。
ふーん、頭いいからな。
女子をはべらせていい気なもんだ。
群がっている女子の隙間から一瞬だけ新藤の顔が見えた。
……また、笑ってやがる。
しかもまた気持ち悪いくらいの笑顔だ。
今まで、仏頂面してたくせに。
俺のことは無視するくせに。
なんかイライラする。
どうしたら無視されなくなるんだろう。
「俺、ピアスでもあけようかな……」
俺が突然そんなことを言い出したもんだから内川はまた驚いていた。
「どうした? なんか、お前変だぞ。柄シャツ着てきたりピアスとか。また新藤に言われるぞ~」
つか、むしろ言わせたいんだよ。
あれからずっと俺の存在自体なかったことのように振舞う新藤がムカついてイライラしてしょうがない。
どうしたら新藤が俺に注意するのだろうか、それだけ考えているうちに今日も1日が終わってしまった。
───…
「何かあったのか?」
「は? 何が?」
帰ろうとしているときに、内川にそんなことを言われて何の話かと思った。
「だから、なんか変だろ。ストレスか?」
「……まぁ、そんなところ」
内川にとっては不可解な行動でしかないんだろう。
変な心配させて悪いなって思っていた時。
「あれ? あれってマリエちゃんじゃね?」
内川が指差した先にはマリエちゃんがいた。
すごく嬉しそうな顔をして靴箱にもたれかかっている。
すると、マリエちゃんの顔が笑顔に変わった。
すっと動いた視線の先には……新藤がいて。
「あれ、新藤じゃん。一緒に帰るのかな? あ、腰に手を回してる」
内川が説明してくれなくても見えてるって……。
新藤はマリエちゃんの腰に手を回して歩いていく。
すると帰り始めていた女子たちがザワついているのもわかった。
つか、手の回し方がエロいんだよ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 660