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とびきりを届けたい 20
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修平は俺に欲を吐き出して、俺に覆い被さるように倒れ込んできた。
そして息を整えると俺の髪に触れ、抱きしめるように腕に力を込める。
「千秋……」
「ん?」
「僕は千秋以上に好きになる人はいない。これからもずっと千秋だけを見ていると思うんだ」
「なんだよ。いきなり……」
急にそんなことを言われてびっくりしたのと、嬉しいのとで顔が赤くなってしまう。
すると修平が優しく微笑んだ。
「愛してるってそんなに嬉しかった?」
「…………」
「ねぇ、嬉しかった? 教えてよ」
吐息交じりの声が耳に当たるので、擽ったくて俯きながらぼそりと呟いた。
「……死ぬほど嬉しかった」
すると修平はニッコリ笑いながら俺を抱き寄せて、“愛してるよ”と耳元で囁く。
やばい、今なら軽く死ねる気がする……。
「なぁ……」
俺が修平の腕の中で見上げて言うと修平は何? と優しく答えた。
「普段から修平って呼んでもいい? 俺、呼びたいよ。お前の……名前だから」
修平は一呼吸置くと、にっこり微笑みながらゆっくりと頷いた。
「いいよ。呼んで」
「修平……」
「あ、でもあんまり艶っぽく言わないで。反応してしまうから」
「どんなだよ!」
突っ込みを入れて少し笑うと、また俺は修平の胸に顔を埋めた。
「修平、俺のこと離すんじゃねぇぞ」
「離さないよ」
「……後悔してないかとかも思うなよ」
「えっ?」
修平は驚いた顔をして俺を見つめた。
ずっと気になっていたこと、今ならちゃんと面と向かって聞けると思う。
「俺がどうして後悔してると思ったんだよ」
「それは……」
修平はまた俺から目をそらし、ばつが悪そうに頬を指でポリポリと掻く。
また煮え切らない表情だ。
俺は、なんでもいいからはっきり言って欲しいのに。
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