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背中合わせ 15
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──その日、俺は夢を見た。
朝、学校に行こうと玄関を開けたら修平が立っていて。
「千秋、昨日はごめんね」
「修平……!?」
「もう、問題は片付いたんだ。辛い思いさせてごめん」
そう言って修平は外だというのに人目もはばからず俺を抱きしめたんだ。
「どんだけ俺が傷ついたかわかるか!?」
俺がモヤモヤしてたものを修平にぶつけるように吐き出しながら、何度も何度も修平の胸を殴ると余計に修平は強く俺のことを抱き締めた。
「その分も千秋を愛するから許して……」
修平の優しい声が耳元に響くと、胸がぎゅっとして一杯になる。
もっと言ってやりたい事だってたくさんあったし、本当は土下座してくるまで許してやるもんか、って思っていたのに一瞬にして心から満たされた気がして許してやろうかと思い始める。
それくらい、幸せで。
それくらい、暖かくて。
そして修平がキスしようと俺に顔を寄せた。
そっと目を閉じて、影が近付き……唇と唇が触れ合うか……。
…─────と、いうところで、目が覚めた。
「夢……か……」
まだ夜明け前でカーテンの隙間からは月明かりが差し込んでいた。
夢とわかると途端に虚しくなる。
心にぽっかり穴があいたようで無性に虚しくて寂しくてたまらない。
そして、情けないけど、枕に顔を押し付けて泣いてしまった。
──────
───…
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