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元同級生 4
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土曜日の午後、藤原は綾倉家のリビングで、綾倉の電話が終わるのを待っていた。
同じように、浅黄も出かける挨拶をするために、綾倉を待っていた。
電話は終わりそうと思ったところで、相手方が再び話し始めるというパターンを繰り返し、なかなか終わらなかった。
「最近、黒澤とは会ってるのか?」
会話を聞いているのもなんだと思い、藤原は浅黄に話しかけた。
「ああ。おととい、一緒に飲んだ」
田村と別れた後、浅黄が酒井のところに戻ると、黒澤も一緒にいた。
合コンの相手に好みのタイプがいなかったらしく、結局、3人で一緒に飲んだ。
黒澤からは、田村との関係を聞かれ、ただの元同級生だと分かると、今度はさっきまで二人で何してたんだとしつこく聞かれた。
合コンのメンバーはネットを介して集まったようで、黒澤は田村とはあの日、初対面だった。
「おとといって、木曜か?」
「そうだけど」
浅黄がそう答えたところで、やっと綾倉の電話が終わり、浅黄は綾倉に「行ってきます」と言うと、リビングを出て行った。
藤原は浅黄の背中を見送りつつ、今週初めに交わした黒澤との会話を思い出していた。
彼は、木曜に合コンに行くと言っていた。
合コンに行った黒澤と飲んだということは、つまり、浅黄も合コンに行ったということではないか。
「待たせたな」
そう言うと、綾倉は藤原にソファーに座るよう促した。
「本題に入る前に、お耳に入れたいことがあるんですが・・・」
なんだというように、綾倉は藤原を見た。
知ってしまったからには、報告しないわけにはいかない。
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