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<17>―1
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どうやってここから出ていこうか……ベッドに横たわった自分の体はとても怠く、出ていくどころかベッドから降りるのも億劫だ。
この味気ない部屋に戻った日から、執拗にあの男は僕を抱くようになった。噛まれたり叩かれたりしないかわりに、恋人を抱くように優しく繰り返し、繰り返し。
でも僕はいっさい反応しないし視線もあわせない。もう知ってしまったのだ、ユキの腕の中の温かさを。あれ以外は欲しくないし代わりはない。
先生のところにいったら置いてくれるだろう。「ぎゃらりー・くら」という会社まで辿り着ければユキだって匿ってくれるかもしれない。
そのどちらも出来ないのはわかっている。迷惑はかけたくない。
『こっちにこれるか?』
ユキがそう言ったことを思い出す。でも僕は頷けなかった。嫉妬で爆発していた僕は猛烈に腹をたてていたから素直になることを忘れた。
かつての自分に思いを馳せる――後悔の正体に
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