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俺のメンタル豆腐かな
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「そうだオレ青山に用事あったんだ。」
「用事??」
「そ。青山に借りた『自己死刑』っていう本返さねぇと」
相変わらず変な名前の小説読むよね。伊宮は。
『自己死刑』って……
どんな内容の本だよ。ちょっと怖そう。いや、別に読みたいわけじゃないからそこまで気にならないけど。
「ふーん、おもしろそうだね。」
「絶対思ってないだろ!雪兎も本を読め本を。本に出会えただけで俺はもう…。」
「ねぇ?!ひどくない??橘様との過去の話はすごく嫌な顔して話したり聞いてたりするのに!なんで本の話しするときはそんなに嬉しそうなうっとりした顔なの!」
「それはそれ、これはこれだろ」
「ひどいわ!あなた!今まで信じてたのに」
「…………。」
何か言ってよ伊宮。
俺だけ変な人じゃん。
ねぇ。
なんで2人で黙ってお互いの目見つめ合うの??
俺傷ついちゃう。
てか思い出したけどここ教室だよね。
俺教室で何言ってんだろ。
他の人たちがとても変な目で俺を見てくる。
やめて。
そんな目で見ないで。
伊宮からの視線でもう傷ついてるのに他の人たちの視線なんてもう……雪兎死んじゃう。
「伊宮……俺が死んだら骨は拾ってね」
「…わかった。骨は拾って野良犬のおもちゃとして投げとくよ」
「まってまってまって。投げるの?」
「投げるよ」
「投げたら拾った意味無いじゃん!!!ねぇ?!せめて埋めて?!埋めようよ!なんで野良犬に投げちゃうの??そんな伊宮の優しさいらないから?!」
そう言って少し間があくと教室に居る人たちからどっと笑いがおきた。
すんごい笑っちゃって。みんな。
俺と伊宮の会話そんなにおもしろいかな??
周りからは「もっと言ってやれ」「伊宮のボケうける」とかが聞こえた。
俺おもしろさ求めてないよ。
俺のメンタル粉々になっちゃったよ。
伊宮が照れながら「ありがと……」と呟いている。
可愛い伊宮。
いつもならそんな照れないのにね。
可愛い。
可愛い。
可愛い。
けど、さ、
「みんな酷すぎるでしょ?!!!!!!!」
俺の悲しみに満ちた声が教室中に響いた。
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