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タイセツナオモイデ1
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いつだったか。
自分の身体が醜くなったのは。
いつだったか。
自分の顔がわからなくなったのは。
いつだったか。
他人と話せなくなったのは。
オレの身体には、沢山の青黒い凶器が刺さっていて、それを鏡越しに見るオレの顔は狂喜に満ちていた。
小さい時、いつだったか覚えてないが母親が死んだ。父親が言うに母親は、優しく、綺麗で、気遣いができとても完璧な人だとよく言っていた。
死んだ原因は事故死。
オレの手をひいて母親と2人で横断歩道を渡っていた時に、初心者マークが付いた車がオレたちの方へ向かってぶつかってきた。
母親はとっさにオレを庇い母親だけが死亡しオレだけ生き残った。
警察の人たちに「お母さんのおかけで君は生きているんだ。お父さんもお母さんを失い悲しいだろうが、君がお父さんを支えてあげるんだよ」言われた。
それだけは何故か、覚えていた。
小さい時は、「オレがお父さんを支えるんだ」と思っていたが、今考えれば、それは、とても、”残酷”な事だと思う。
父親を悲しませないように、傷つけないように、何でも言うことを聞いた。
テストでいい点数を取り、先生にもよく褒められた。
それで満足していたんだ。
オレは。
オレだけは。
父親は、満足なんてしていなかった。
あの人が欲しかったのは、そんなものじゃない、オレじゃない。
母親だ。
あの人が欲しているもは、母親なんだ。
それに気づいたのは8歳の頃。
急に父親が、女の子が着る服を買ってきた。
最初は「間違ったのかな?」と思ったが、間違ってなんかなかった。
オレにその服を着せ、「可愛い。似合ってるよ、×××。」と言ってきた。
それからは毎日女物の服を着せ、髪の毛を伸ばさせ、自分の事を”×××さん”と呼ばせた。
オレではなく私と言えとも強制して来た。
最初、オレも面白半分で母親を演じていた。
覚えてもいない人を。
ある日、夜中にオレの部屋に来た。
そして、寝ているオレにキスをした。
それも、舌と舌を絡ませ合う本当にするときのものを。
俺はあまりにも驚き、泣き叫びながら必死に抵抗した。「やめて、いやだ、きたない、パパ」そういった瞬間に殴られた。
一瞬何をされたかわからなかった。
ただ、わかったのは、この人は危険だ。
幼いながら、それだけはすぐに察知できた。
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