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タイセツナオモイデ2
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けどその後は殴ることもなく、優しく、壊れ物を扱うようにオレに触れてきた。
その時の父親の顔はとても可哀想なものだった。
大事な人にまた会いたいがために大事な息子を傷つけてしまい、その行為をやめたいがやめられない沢山の感情が入り混じった、哀しい顔。
この人は危険だ、怖いと思っていたはずなのに、父親が涙を流したのを見てしまったら、もう抵抗なんてできなかった。
だって、この人の大事な人を奪ったのはオレ自身だ。
これは、父親に対する罪滅ぼしでもあった。
自分のせいで母親が死んだのはわかっていた。
けど誰も何も言わない。
”お前のせいでアイツは死んだんだ”お前が変わりに死ねば良かったのに”
オレはきっと、誰かに責めて欲しかった。
けど誰も、何も言わない。
だから、だから、父親のその行為は、オレに必要なものだと感じた。
それからは、1ヶ月に3回、5回、10回と徐々に回数が増えていった。
けど父親は、俺が勉強も運動もできなく先生に怒られても、母親を演じ”×××さん”と言えばとても満足そうな顔をして「愛してるよ」と囁いてくれた。
それからはどんどんどんどんその行為がエスカレートしていき、オレは母親になり、父親はオレに手を出してくるようになった。
いつの間にか、千影と名前を呼ばれても自分が呼ばれていると気付かなくなった。
いつの間にか、自分の性格や顔がわからなくなった。
ただ、ただ、わかっていたのは、
”オレは愛されている”
それだけだった。
けど、そんなものは長くは続かない。
そんなこと、わかっていたはずなのに。
成長するにつれて、声変わり、成長期と男らしい部分が出てくる。
そうなればオレはもう母親を演じれなくなる。
そうすると当然、俺も愛されなくなってしまう。
必死に、父親に愛をねだった。
”オレを愛して”
”オレを必要として”
”オレに罰を与えて”
そんなことばかり考えていた。
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