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俺達の〇〇な関係性
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「まぁ入学式はもう終わったんだし、一回話してみろよ」
教室にいた俺は、何故か伊宮に屋上に連れられていた。
「誰と……??」
「わかってんだろ、黒木だよ。黒木」
「いやいやいや」
いやいやいや嘘ですよね、伊宮くん。
もちろん冗談ですよね??
いやいやいや何を今更話すことあるの。
会って、「すみませんでした」って謝ればいいかな……。
てまぁそんなのは俺のキャラじゃないし?
だって、ねぇ?俺は伊宮がいれば別に誰とも関わる必要はないし、ずっと一緒に…
「進まねぇと」
「……へ?なに言ってるの、伊宮」
「当たり前だろ。この世界にはオレ達二人しか居ねぇわけじゃねぇんだ。これから、将来の事考えて、色んなこと経験しねぇと、」
「それこそ、今更じゃないの……?」
気付いたら、俺は笑ってもなんかいなかった。
自分で言うのあれだけど、今の俺は千影に対して何も感情なんて抱いてないと思う。
いや抱いているとしても、それはきっと冷めたような感情だ。
さっきまで笑っていたはずなのに、楽しかったはずなのに、なんでだろう……
「雪兎、オレは」
「さっきも言ったけど今更なのはわかるでしょ?千影。今更、俺から離れる気?今更、将来のことを考える気?その千影の将来に俺は居るの??居ないよね、わかってる。俺達が離れる事が、前に進むこと。なら進まなくていいよ。俺が求めてるのも、一緒にいて欲しいのも千影だけ。だから、千影が俺から離れるなんて許さない。それに、離れられないのは俺じゃない、千影自身だよ。その事、わかってないよね。千影は正しい事なんてひとつも言ってない。俺達の間に正しい事なんてない。全部歪んでるッ……!それが、俺達だろ?」
いつの間にか千影の肩を掴んでいた。
あぁ、ごめんね千影。
そんな哀しそうな顔をしないで。
俺は千影の為を思って言ってる。
「ご、ごめん、なさい。オレは、雪兎が大事で、それで、雪兎と本当は離れたくなくて、だから、そのッ、」
「大丈夫だよ、千影。ちょっと、サボろっか。教室に戻らないで、ね?」
「ごめ、お願い、雪兎」
「大丈夫だよ、大丈夫。落ち着こ」
歪んでいる、俺達。
これの会話を聞いている人は、はたから見れば俺が千影に依存しているように見えるだろう。
でも本当は違う。
依存してるのは、千影のほう。
千影は何度も前に進もうとして、俺から離れようとして、結局俺離れられなくて、自殺しようとした事が何度かあった。
でも、千影は俺に依存しているなんて気づいてない。
あぁ、なんて、
「可愛い子、なんだろう……」
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