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距離が…
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ドアノブに手をかけ深く深呼吸
「 おはようございます 」
いつもソファで寝ている叶さんに挨拶をする。俺がドアに手をかける時には匂いで目がさめると言っていた。
最初の頃は分からずに寝ているのを起こしに近付けばギュッと抱きしめられ
「 目覚めの匂い。 」
そう言って抱きしめられていたけど、今日からは挨拶をして自分の仕事をしよう……
ソファから目を開け、椅子に座る俺と目が合う
「 綾人君、朝の儀式は? 」
「 何を言ってるんですか、仕事しましょう 」
言われるだろう言葉を考えていたから、うまく誤魔化せた
淡々と仕事をする俺に対して、叶さんは何かを言いたそうではあったが、ソファから立ち上がり大きく伸びをした
「 綾人君、これから試作品の打ち合わせなどで忙しくなるから留守番をしっかり頼むよ 」
「 はい、分かりました。 」
「 うん 」
「 コーヒーでも淹れますか? 」
「 うん、頼む 」
淡々と会話をし俺はすぐに席を立ち、急ぎ足で給湯室へと向かって行く綾人の後ろ姿を叶はジッと見つめていた。
( 今度は何を考え始めたのかねウチの綾人君は……離れたくても俺は全く手放す気はサラサラないのに…… )
そんな叶の考えを知らない綾人は給湯室で大きくため息をつく…… 不自然な態度ではなかったか、不愉快な思いにはさせていないか、色々考えていた。
大丈夫…… 変じゃない
最後に確認をして、マグカップを片手に給湯室を後にする。
「 叶さん、コーヒーお持ちしました 」
珍しく自分の椅子に座り仕事をしている叶にコーヒーを置く、
「 ここに置きますね 」
すぐに振り返り自分の席に戻ろうとする綾人の手首を掴みそのまま膝に座らせる
「 あ、わっ 、チョッ…… 」
暴れる綾人の身体をガッチリと両腕で捕まえる
「 綾人君が何かを考えているようだけど、俺からこれからもずっと離れられない事は覚えているように 」
耳元で話せば、首まで真っ赤になり下を向く綾人君の頭を撫でた
そのまま綾人を膝からおろし「 じゃ、仕事しようか 」
そう言って叶は何事も無かったようにパソコンを開く、綾人は下を向いたまま、顔を赤くしたまま
何も言わずに自分の席に戻って行った。
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