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女装 おまけ
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「んもーっ!本当、やりすぎ!ばか火宮!」
あれから意識を取り戻し、着替えもさせてもらえた俺は、火宮に向かって苦情を垂れまくっていた。
「ククッ、おまえも実は乗り気だっただろう?」
「はぁっ?そんなわけありませんっ!」
本当に何言ってるの、この人。
「今度は女装のまま外に出てみるか?エクステとやらもちゃんとつけて」
きっとバレないぞ、って…。
「嫌ですよっ!」
もうこのどS。ヘンタイも追加してやる!
「ククッ、それ、忘れている」
「え?」
スッと頭に伸びてきた火宮の手が、よくぞ乱れなかったヘアピンに触れた。
「あ…」
これって引っ張れば取れるわけ?
よく分からないけどスッと引いてみたら、意外と簡単に取ることができた。
「それにしてもこれ、何です?ハムスター?」
やけにデフォルメされた可愛らしい小動物が、つぶらな瞳で見つめている。
「ククッ、おまえに似合いの小動物だ」
「何が」
「小さくて可愛い」
「ぶっ…」
な、な、なにを急に…。
びっくりして思わず吹いた。
「なんだ?」
「や、いやー、肉食獣もたまーに小動物を愛でたりするんですねー」
ププッ、と笑ってしまうのは、半分は照れ隠し。
「俺は肉食獣か」
「当たり前ですー」
ほら、小動物をいたぶるところとか、喰っちゃうところとか。
「ふぅん」
「何ですか?」
あれ?微妙に何かいいことを思いついた、みたいな顔をして…。
「いや、動物っていうのもいいかもな」
「な、何が…」
やばい、この目。
妖しくて、意地悪で、とーっても嫌な予感しかしない、緩く細められた火宮のそれ。
忘れてた。火宮にとっていいことは、俺にとって最低最悪の何かだ。
経験上、これは確かだ。頭の中に警鐘が鳴り響く。
「ククッ、翼」
「は、い?」
「今度はどんな賭けをする?」
「えっ?」
何企んで…。
「次に翼が負けたら、今度はこれだな」
「はいぃ?」
「ほら」
パパッとスマホを操作して、ネコ耳、モフモフリストバンド、手枷にもできる仕様。極め付けは先にバイブがついたケモノ尻尾…の通販サイトを見せてくれて。
「こんなのするかーっ!」
このどS!ヘンタイ認定!
思わずスマホを振り払ってしまった。
「壊す気か」
壊れてしまえ。
「まぁ壊れているのは火宮さんの頭の方ですけどねー」
「クッ、言うな」
「あ…」
やば。
口に出してた?
チラッと見上げた火宮は、ニヤリと意地悪く笑っている。
「とっ、とにかく!もう火宮さんとは勝負事なんて…」
「ククッ、勝てる自信がないわけか」
「えっ?それはっ…」
傲慢に踏ん反り返る火宮がムカつく。
「負けてペットの格好にされると初めから分かっているからな」
「そっ、んなことは…」
やってみなくちゃわからな……駄目だ!
これは挑発だ。
乗るな、俺!
「まぁ、負けっ放しで逃げるのも懸命な判断か」
ククッ、と勝ち誇ったように笑う火宮が…火宮が…。
プチンッ。
「誰が逃げるかぁぁっ!」
それはそれは愉しげな、妖艶な笑みを浮かべた火宮が見えたときにはもう…。
あ。俺、これ死んだ?
自爆スイッチを全力で押していたことに気がついて、サァーッと血の気が引いていた。
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