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リクエスト① 5
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『…さきは、どういたしますか』
『ククッ、まぁ制裁に2、3発入れておけ』
『その程度で?』
『本来なら翼に変なものを口にさせたんだ、その程度では済むまいが…今回はな』
『ですから、いつまでその崩れたお顔を晒すおつもりで…』
ん?
なんか、話し声が聞こえる。
1人は火宮で、もう1人は真鍋か。
「ククッ、まぁ身体はすでに元通り。どうやら意識の方も、覚めたようだぞ」
クリアになった声に目を開けたら、ここは家のリビングで、どうやら俺はソファに寝ているようで…。
「って、え?なんで?」
身体を起こそうとしてふと気がついた。
支えにしようとした手がなんだか不自由で、何故か後ろ手に拘束されているらしいことに。
「ククッ、起きたか、翼。気分はどうだ?」
「は?何?こんな手を拘束されてて、気分がいいわけ…」
「ふっ、いつも通りの強気なおまえだな」
「はぁっ?っていうか、これ何なんですか?取って下さい」
もう、わけがわからないんだけど。
真鍋は真鍋で、ホッとしたように苦笑しているし。
「ほぉ、覚えていないのか」
「何をですか?」
「おまえがガキになっていた時のことだ」
「はぁ?何言ってるんですか?」
本当、わけがわからない。
「つい先ほどまで、おまえは5歳児くらいになっていたんだぞ」
「はぃ?火宮さん、夢でも見たんですか?」
「……なるほどな」
「な、何です?」
その顔、よくない予感しかしないんですけど。
「ガキになっていた間の記憶はないわけか」
「だから何の話…」
「だが見ず知らずの他人から差し出された飲み物を口にしたのは覚えているな?」
「えっ?何で知って…っあ!」
まずい。
これがバレると、浜崎さんが酷い目に…。
「ふん。もうとっくに露見している。さて翼、その件で、たっぷり言い聞かせることがあるようだな」
「えっ?いや、だってほら。ただの試飲だし。俺はどこもなんともなかったわけで…」
後ろ手に拘束されたままの不自由な身体を、ジタジタと動かして、なんとか逃げようともがく。
「ふっ、そう思っているのはおまえだけだということだ。知らぬが仏か?クッ、録画くらいしておけばよかったな」
惜しいことをした。と呟いている火宮が、わけがわからない。
「あの…?」
「会長、でしたら私はこれで」
失礼しますって、待って真鍋さん!
俺を助けて行ってー!
心の叫びは虚しく、真鍋は綺麗に一礼して、さっさと部屋を出て行く。
「ふっ、翼。何で自由を奪われていると思っている」
「っ、これは、な、なんで?」
わかる気がするけど、認めてしまったら何かが終わる気がして、空惚けるしかできない。
「ククッ、おまえが知らずとも、その試飲で結構な事件が起きていたんだぞ」
「だ、だって知らないものは知らない…」
「クッ、言い訳無用だ。今後あまりに無防備に毒薬などを飲まされないためにも」
「っ…」
「たっぷり仕置きだ、翼。覚悟しろ」
キラッと光った、火宮の目の奥の妖しい輝きは、決して見間違いではないだろう。
ニヤリと唇の端を持ち上げた火宮の顔は、サディスティックな愉悦に揺れていた。
こうなった火宮を止める術などないことを、俺は経験上よく知っている。
「っーー!いやぁーっ!」
そうして抵抗虚しく、俺の可哀想な悲鳴が、リビングの空気を切なく震わせることになった。
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