アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
リクエスト③ 内緒話 1
-
【本編240話、執筆後】
@nz様よりリクエスト《火宮さんの部下たち?に火宮さんと翼について話してほしいです!!真鍋さんに見つからないようにコソコソと話す池田さんやら浜崎さんやら名無しさんやらが見てみたいなぁ…》のお話です。
怖いお兄さんたちが、ただただ喋っているだけのお話ですが(汗)
お楽しみいただければ幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーー
「ちょっと聞いたか?」
「あぁん?」
「聞いたって何を」
ボソボソ、コソコソと、事務所の1室で、構成員たちが仕事をサボって雑談に興じていた。
「あれだよ、あれ。会長のイロ」
「あぁ?イロがどうかしたのかよ」
「それが、この前、会長がお連れになってたんだけどさ、こう、ちびっこくて、まぁ男にしちゃぁ可愛い少年なんだけど…」
ひそひそ。
隠す気があるのかないのか、無駄話の声はだんだんと大きくなっていく。
「今の会長のお気に入りが少年だなんて、とっくにみんな知ってんだろ。それがどうした」
「いや、笑ったんだって」
「はぁっ?」
「会長がな!そのイロに向かって、『ふっ』って。こう、『ふっ』って!」
力説する男に、聞いていた男の胡乱な目が向く。
「会長が笑うわけないだろ。作り話も大概にしろや」
「だから作り話じゃないって。マジで。なぁ、他にも見てたやついるだろ?」
キョロキョロと周りを見回す男に、みんなが首を傾げる。
「あーっ、もうマジで嘘じゃないんだって…」
「あれ?何騒いでるんすか?」
不意に、部屋のドアがガチャッと開き、浜崎が呑気に入ってきた。
「おっ、浜崎!いいところに!」
「え?」
「なーぁ、おまえなら分かってくれるよな?会長がイロに笑いかけるのがマジだって」
味方発見とばかりに駆け寄ってきた同僚に苦笑しながら、浜崎は深く頷いた。
「そりゃもう、会長の伏野さんへの溺愛っぷりと言ったら…」
にかっと得意げに笑う浜崎に、雑談に興じていた男たちが食いついた。
「そういやおまえ、そのイロのお付きだったな」
「そうか。おまえ、俺らの知らない会長のレアネタ、かなり掴んでるって噂じゃねぇか」
「そうだそうだ。独り占めしてないで、俺らにも教えろよ」
やいのやいのと群がってくる男たちに、浜崎の苦笑が深くなる。
「あの、話すのはいいっすけど、ちょっと離れて…。それと、真鍋幹部にこんなところが見つかったらヤバいっすよ」
「あー、真鍋幹部、仕事の鬼だからな。じゃぁもう少し隅に移動しようぜ」
ゾロゾロと、部屋の一角に移っていく男たちだが、誰もデスクについていなくて、そんな隅に固まっている方が余計に怪しいと、誰1人気づかないのか。
「それで、浜崎?」
「あぁ、うーん、そうだなぁ…」
ひそひそ、というよりは、完全に普通の音量になっている声で、構成員たちの雑談は続く。
「それじゃぁ…この間、なんか移動中の車内でいきなり、会長が伏野さんを引き倒して無理矢理膝枕をしたらしくって」
「はぁっ?会長が、膝枕?」
マジか…とざわつく男たちの間に、浜崎のさらなる爆弾発言は続く。
「運転手さんが体調悪そうだったのに、どうかと思いませんっ?!って、伏野さんがキレてました」
「は?そのイロ、会長をそんな風に言って、大丈夫なのかよ?」
ゾッと青褪める構成員たちは、火宮の冷酷さを良く知っている。
火宮に楯突いたり、生意気な口を利く女たちは過去全員、それはそれは残酷なまでにバッサリと切り捨てられ、みんな可哀想な目に遭わされていった。
「それが、伏野さんは大丈夫なんすよねー」
「はぁっ?マジで想像つかねぇ」
首を捻る男たちに、浜崎がからりと笑う。
「オレも未だにしょっ中、目を疑いますよ?」
「なになに」
「伏野さんは、オレに愚痴るどころか、面と向かって会長にそういう文句を言うんす」
は?終わったな、とか。
そいつ死んだろ、とか。
構成員たちにざわめきが走る。
「つい先日も、オレがたまたまお部屋に上がった際に、たまたま会長がお出かけになるところに出くわしてしまいましてね」
「うんうん」
「何か揉めてたみたいで…見送りに玄関にいた伏野さんから…」
ゴクリ、と唾を飲み込んだ浜崎につられたか、周囲の男たちも、息を飲んでその先の言葉を待っている。
「な、なんだよ?」
「それがっすね…」
「焦らすなって」
言いよどむ浜崎のせいで、嫌でも緊張が高まる。
「おい浜崎…」
「それが、『バカ火宮』って」
「はぁぁぁっ?」
「ちょっ、おまっ、それはさすがに血の雨が…」
「オレだってこうして口にするだけで震えるっすよ」
だよなー、とか頷いている構成員たちは、みんな一様にビビっている。
「震えるっすけど、伏野さんはそれを面と向かって会長に言い放って…」
「マジか…」
「死んだな」
「終わったな」
青褪める構成員たちをよそに、浜崎はヘラッと笑って先を続けた。
「会長に仕置きだ、って、熱烈なチューをされてたっす」
「「「「は?」」」」
一斉にポカンと開いた口が、間抜けな1音を斉唱した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 233