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リクエスト④ ご機嫌ナナメ 1
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【本編248話、執筆後】
ひなピーミル様よりリクエスト《翼がすねて火宮さんと真鍋さんが必死にこぎげんとってるすがたがみたいです》のお話です。
翼、拗ねる、どSズが必死にご機嫌取る…で終わるはずが、何故か何故かお3人様、大暴走致しまして(汗)
いつの間にやらR18突入しております。
余分な肉がつきすぎてすみません(苦笑)
こんな感じになりましたが、よろしければお楽しみ下さい。
※4よりR18ご注意下さい。
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服、よーし。
髪、よーし。
「ふふ…」
洗面所の鏡の中に、ばっちりと髪を決めた俺が、へにゃりと弛んだ顔をして俺を見ていた。
「おい、翼。そろそろ行くぞ」
「うわっ、はい」
びっくりした…。
いきなりヌッと俺の背後に美貌が映り込み、思わず飛び上がる。
「ククッ、相変わらず寝癖を直すのに、どれだけ時間がかかるんだ」
楽しげに喉を鳴らしている火宮は、いつから待っていたのか。
「おまえならなんだって可愛いんだから気にしなくていいだろうに」
「っ……」
なんだこの人。
朝からなに殺し文句をサラッと言っているんだ。
「翼?顔が赤いが…熱でも」
「っーー!バカ火宮ぁ」
近づいて来るな、来るな、来るなー。
余計に熱が上がっちゃうから。
自分が何を言ったか無自覚なわけ?
「ククッ、デートの朝から相変わらずの暴言か?」
「っ、だって…」
照れ隠しについうっかり…。
「仕置きだ、来い」
「っ…」
あ、やだ…。
そんな濃厚なキス…足が、腰が…。
身体が引き寄せられたかと思ったら、顎を捉えられてディープなキスが。
薄目を開けたらトロンと欲情した俺の顔が鏡に映っていて…。
「ふっ、んっ…ぁ、はっ」
「ククッ、翼、謝罪は?」
「あっ、はっ、ン…ごめ、なさ…ぼ、げん…ごめっ」
あぁもうこれじゃぁ、お仕置きなんだかご褒美なんだか分からない。
とりあえず力が抜けて立っていられなくなって、目の前の火宮にしがみついた。
「ククッ、なんなら今日はこのままベッドで1日…」
「っ!嫌ですっ」
だって今日は前から楽しみにしていたデートの日だもん。
このところずっと残業三昧で、あんまりゆっくりと顔を合わせていられなかった火宮と、数日前から約束して待ち望んでいた日なんだから。
「早く行きましょ」
やっと取れた休みだ。無駄にできる時間は1秒もない。
「ククッ、本当におまえはな」
笑いながら、ぐいぐいと腕を引いて玄関に向かう俺にちゃんとついてきてくれる。
なんだかんだ言っても、そういうところが好きなんだよね。
「今日はね、火宮さん。まず…」
行きたい場所をワクワクと伝えようとした瞬間。
楽しい気分に水を差すような、無遠慮なスマホの着信音が鳴り響いた。
「っ…」
俺のじゃないから、火宮のだ。
ポケットから取り出されるスマホを、思わず睨んでしまう。
ディスプレイを見て「クソッ」と呟いた火宮から、相手がいやでも分かって、そしてこれからの予定が全部崩れることも察する。
「っ…いい、ですよ?出て下さい」
ちゃんと笑えているかな。
申し訳なさそうにした火宮が、渋々感丸出しで通話を始める。
その口調から、相手はやっぱり真鍋で、仕事の電話だってはっきり分かった。
仕方ないよ、仕事だし…。
真鍋は火宮のスケジュールを公私共に把握している。
当然今日が俺との前々からの約束のデートの日だってことも分かっているはずだ。
それでもこうして電話をして来るってことは、どうしても火宮じゃなきゃ立ち行かない何かがあったってことで。
「翼、すまない…」
通話を終えた火宮のひと言は、ちゃんと予想してた。
だから俺は大丈夫。
「分かりました。お仕事ですよね?俺のことは気にしなくていいですから」
「ッ、翼」
「お仕事頑張ってください」
にこりと笑って見せて、踵を返して室内に戻る。
火宮の顔はもう見れなかった。
「翼っ…」
別に子どもじゃないし。
デートの予定がドタキャンされたからって、いじけたりしないし。
火宮は会長様で社長様で、仕事だって仕方がないってちゃんと分かっているし。
スタスタとリビングに戻り、ドスンとソファに座ったところで、一体どこから連絡をしていたのか、ガチャンと玄関が開く音に続いて、真鍋が火宮を迎えに来たんだろう声が微かに聞こえた。
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