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リクエスト④ ご機嫌ナナメ 6
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「はっ、もっ、ほんと、ムリ、死ぬ…」
これまたどこの老舗料亭だ、と思うような佇まいの、明らかに高級感溢れるトンカツ専門店に連れて来られ。
もちろんカウンターなんて無理な俺を、さすがに苛めることなく個室に通してくれたことにホッとして、座敷のそこに落ちついたところで。
俺はもうぐったりとテーブルに倒れ伏した。
「ククッ、この程度で音を上げてどうする」
「はぁっ?この程度?」
振動が強のまま、10分近く弄ばれたよ?
しかも緩めてくれることなく、車からここまで歩かせておいて、『この程度』だと?
「仕置きはまだまだ序の口だぞ」
「っーー!」
もうこのどS。
誰かどうにかして…。
今はとりあえずスイッチは止めてもらえているものの、またいつ気まぐれに動かされるか分かったものじゃない。
「ふっ、翼はかつ丼だな」
「はいー」
もうぶっちゃけ何でもいい。
グターッとテーブルに突っ伏したまま返事をしたら、クックッと愉しげに笑う声が降ってきた。
「ふっ、ほら翼」
「っ…」
こんの意地悪!
口には出せない文句を込めて、俺はジロリと火宮を睨みつけた。
「どうした?食べないのか?」
先に手をつけていいぞ、とは言うけれど。
「っ、食べます、けどっ…」
それならどうか後ろの振動を止めてくれ。
願いを込めた視線は、どこ吹く風とスルーされた。
「っ…」
まったく、どSが。
無事に注文を済ませ、その品が運ばれてくるまではよかった。
振動は止められていて、後ろの異物感を少し我慢すれば、なんとか耐えていられたところなのに。
なのに料理が運ばれてきた途端、またも気まぐれに動かされたローターは、もう意地悪どころの話じゃない。
「翼?」
口調だけは心配そうだけど、その顔がニヤニヤと意地悪く笑っているのは見えている。
「も、いや、だ…」
こんな状態で食事なんて、どうしたって無理だ。
「お願い、です。火宮さ…」
もう限界。
無様な懇願でいいから許しを乞おうと口を開いた瞬間。
「失礼いたします」
火宮が注文した料理がタイミング悪く運ばれてきてしまい、俺はぐっと唇を噛み締める羽目になった。
「っ…は」
やばい。
声が漏れる。
店員さんが目の前にいるのに、振動を止めてくれない玩具を恨む。
ヴーヴーと上がるモーター音が聞こえてしまわないかとビクビクして、うっかり力が入る身体がナカのローターを締め付けた。
「あっ、ぅ…」
やばいー!
上がる息と声が堪え切れない。
店員さんの怪訝な眼差しに晒され、背中にタラーッと嫌な汗が伝う。
お願い、止めて。
今だけでいいから。
後で強めて構わないから、他人がいる今だけどうか。
必死で内心に浮かべた願いを込めて、火宮を見つめる。
けれども返って来たのは、それはそれは意地悪な光を宿した火宮の目だった。
ま、さか…。
嫌な予感にギクリと身を強張らせた、その瞬間。
「っ、んっ…」
バカ火宮ーっ!
またも強さを増した振動に、俺は固く固く拳を握り締め、ひたすら必死で声と反応を堪えることとなった。
羊が1匹、羊が2匹…。
いやこれ違う、寝るときのおまじないだ。
じゃぁサンテンイチヨンイチゴキュウニロク…。
あぁ、これも駄目だ。少数点以下10桁すら覚えていない。
必死で快感をやり過ごそうと余所事を考えてみるけど、そんなことでは後ろから上がる快感を堪え切れそうになくて…。
本当助けて、振動止めて。
意地悪バカどS火宮っ!
「ククッ、言うな」
え…?
それはそれは愉しそうに笑った火宮の声が聞こえて。
いつの間にか店員さんは個室から出て行き、ニヤァッ、とサディスティックに笑った火宮が、獲物を捕らえたハンターのような目をして俺を見ていた。
「仕置き追加だ」
「っ!」
ニヤリと笑ってポケットから出されたその小瓶は何!
「食後にこれを飲め」
「っ…」
媚薬だ…。
嫌でもわかるその効能に寒気がする。
「火宮さんの鬼!」の言葉はさすがに、ぐっと飲み込み思いとどまった。
「ククッ、そうと決まれば、さっさと食事を済ませるぞ、ほら」
ようやく後ろの振動を止めてくれたのは嬉しいけれど、さらに増えてしまったお仕置きに、その後口にしたせっかくの高級カツ丼の味は、さっぱり分からなかった。
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