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リクエスト⑦ 恋人はどS様 1
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【本編275話、執筆後】
aya様よりリクエスト《もし翼が真鍋さんと恋人同士だとして翼に対してどんなお仕置きをするのか》のお話です。
真鍋の鬼っぷりが炸裂しております。
翼が泣かされまくっています。
なお、本編の正規カップルを崩さないように描いておりますが、真鍋・翼の恋人関係が、どんな形でもお許しになれない方は閲覧にご注意下さい。
以上よろしければ、お楽しみ下さい。
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冷たい、冷たい顔をした真鍋が、俺の目の前で腕組みをして立っている。
その前にチョコンと正座をして、俺はビクビクと身を竦めていた。
「翼」
「っ…」
静かに名を呼ばれただけなのに、ビクンッと身体が跳ねてしまう。
それほどまでに怒らせると冷たく怖い、俺の恋人、真鍋能貴様。
恋人…?
ふと感じた違和感は、目の前から漂ってくる絶対零度を凌いだ冷たい空気に気を取られて霧散した。
「翼、あなた、何をしたかお分かりですか?」
恋人の俺に対しても、丁寧語を崩さないこの人は、蒼羽会という七重組系暴力団の幹部をしている。
会長の火宮命で、ときには恋人の俺より大切に思っているんじゃないかって感じるほど。
実際に今だって…。
「あなたが決して邪魔をしないとおっしゃるから、私は事務所に来ることを許したのですよ?それをあなたは何ですか、会長のお仕事をしっかり邪魔して、パソコンの重要データを消したですって?」
ヒヤリ、ピリリ、と、冷たく身を切るような説教と、非難の目が俺に向く。
「いくら会長が、あなたが私のイロだからと様々な融通をきかせて下さっているからと言って…何もかもが許されると思ったら大間違いですよ」
「っ、でもだって、あのパソコン、好きに使っていいって言われて…」
うっかり言い訳を口にした俺は、真鍋のギロリとした殺人的な視線を向けられて、ピシリと凍りついた。
「限度があります」
「でもわざとじゃないっ。ゲームしてたらたまたま…」
「わざとでしたら、いくら詫びを入れても許しませんし、許されません」
「だって…だって」
なんでこの人は、俺の恋人なのに、火宮会長さんのことを優先するんだろう。
ちょっとくらい俺の味方になって、俺のうっかりを庇ってくれたり、フォローしてくれてもいいじゃないか。
「はぁっ。仕置きですよ」
「え…」
「きっちり仕置きして、深く反省させて、会長に詫び入れにいきますよ」
「そんなっ…」
恋人にもそこまで厳しく当たるの?
「恋人ですから、愚かな振る舞いを許しません。恋人として責任を持って、きっちりと躾直します」
キラリ、と目を光らせた真鍋が、どこから取り出したか、鞭を手にしてそれをヒュッと一振りして見せた。
「や、だ…ごめ、なさっ…」
そうだこの人、すっごくSで、恋人に対してだって、お仕置きとか躾とか、すっごく厳しいんだった。
「翼、服を全て脱ぎなさい」
「っ…」
手酷い命令に、ビクリと強張ったまま、俺はフルフルと首を横に振った。
ピシッ!
床に一振り、鞭がしなる。
「無理矢理脱がされて、追加の罰を受けたいのですか?」
「嫌っ…嫌だ」
怖い。
怒らせたら最後、この人は恋人にだって容赦はないんだ。
「脱ぐっ。脱ぐから…」
やめて、と涙目になりながら、俺はもつれる手を必死で動かし、ボタンを外したシャツを脱ぎ去った。
それからズボンと下着もワタワタと脱ぎ捨てる。
全裸になってしまった身体をなるべく隠すように身を縮めたら、薄っすらと目を細めた真鍋の妖しい視線が突き刺さった。
「ふっ、相変わらず華奢で、白く滑るような綺麗な肌ですね」
「もっ、何言って…」
ペチペチと手の中で鞭を弄びながら、そんな風に身体を観察しないで欲しい。
「この綺麗な肌に、今から赤い筋が何本も刻まれていくのですか」
可哀想に、と呟く真鍋だけれど、その目に映っているのは、決して憐れみでも同情でもない。
「っ、ゃ…」
だったらやめてくれればいいのに。
だけどその目に光っているのは、紛れもない歓喜だから、とめる術なんかありはしない。
仕置きと躾という大義名分をかざして、恋人の俺を苦痛に泣かせるのが何より好きな人だから。
「さぁ、翼、床に四つん這いですよ」
「っ…」
まずは鞭打ちだ、と分かる俺は、すでに目に盛り上がった涙を堪えながら、ノロノロとその声に従った。
ヒヤリと冷たい床が、手のひらと膝に触れる。
後ろでスッと真鍋が動き、ピタリとお尻に鞭が当てられた。
「打ちますよ?何回ぶたれれば反省できますか?」
「え…」
それ、俺が決めるの…?
ギクリと強張った身体で、ノロノロと後ろを振り返る。
にこりと笑みを浮かべた真鍋が、その答えを催促している。
「っ…」
そりゃ、本当は1発だって叩かれたくない。
だけどそんなことは通用するはずがなくて。
なら1発だけ、と思うけど、それを口にする勇気はもちろんない。
「翼?」
ほら早く、と、ペチペチとお尻を鞭で撫でられ、俺は悩みに悩んだ挙句、どうにかギリギリ自分が耐えられるだろう回数を口に乗せた。
「じゅ、10回…」
少ないか?と怯えながら窺った真鍋の顔は、感情が読めない綺麗な笑顔だ。
それどっち?!
怖いよ!と思いながら、真鍋の返事を待った俺は…。
パシッ!
「ひぃやぁっ!」
いきなりお尻を打たれて仰け反った。
「たったの10打ですって?」
やばい…。ミスった。
冷たく響いた真鍋の声に、ピキッと凍りついた。
「甘えるのではありません。その倍…いや3倍でも軽いとは思いますが…」
え!それって30回も?!
「まぁあなたの痛みへの耐久性も考えまして、その辺りが妥当ですかね」
「っ…」
嘘でしょ?厳しい…。
「ご自分で数を数えなさい」
「そんなっ…」
「そうですね…数え損ねたり、数を間違えたりしましたら、その分はノーカウントにします」
「なっ…」
「30打で終われるといいですね」
にこりと微笑む真鍋の顔は、艶やかで妖しい、悪魔の微笑みだった。
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