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リクエスト⑨ コスプレ1
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【本編291話、執筆後】
ふりかけ様よりリクエスト《濃厚なコスプレプレイが見たいです!》のお話です。
濃厚な…というか、なんだかご主人様とペットプレイになりつつありますが。
こんな感じに仕上がりました。
火宮の変態度が危険レベルです。
デレてもいます。
よろしい方はスクロールどうぞ♡
※R18ご注意を
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ポカポカ陽気の昼下がり、俺は今日の戦利品を片手に提げて、ホクホクと家路についていた。
そのとき。
ミャァ…。
「っ?!」
ミャァ。
「えっ?」
ふと通りかかった路地の入り口から、小さな小さな声が聞こえた。
「猫?」
鳴き声のした方へと思わず足を向けたら、小さなダンボール箱からちょこんと顔を覗かせた、子猫が見えた。
「うわぁ、捨て猫かな。可愛い」
しっかり興味を引かれてしまった俺は、買い物袋を地面に置き、ダンボール箱に駆け寄る。
蓋を開ければそこには、ちまっと佇む毛玉が。そのつぶらな瞳が一対、俺を見上げていた。
「っ!」
嬉しそうに瞳を輝かせて、みゃぁ、と鳴く猫にやられてしまう。
「これは…」
放っておけない…。
思わず後ろを振り返って、直ぐそばまで来ていた浜崎を見上げた瞬間。
「いや、駄目っすよ?伏野さん」
「っ!まだ何も言ってないです…」
頭ごなしの否定に、ムッと口が尖ってしまう。
「すんません。ですが、連れて帰りたい、って顔してますからね。駄目っすよ。無理っすからね。会長が許さないっすからね」
「どうしてですか。火宮さん、猫嫌いなんですか?」
そこまで全力で反対するとか…。
「は?いえ、会長が猫好きかどうかは知りませんけど」
「じゃぁなんで…」
「え?そんなの、少し考えれば分かることっすよ。会長が、最愛のイロと生活する部屋に、猫なんて…いや、他のどんな生物だって、入ることを許すわけがないじゃないですか」
「は?」
「しかも、こんな子猫なんて。伏野さんの愛情が傾くのを分かっていて…。この子のためにも、絶対に連れて帰らせるわけには行かないっすよ」
もし火宮の前で俺が猫を可愛がろうものなら…と、恐ろしそうに身体を震わせる浜崎は、一体何の話をしているのか。
「わけがわかりません。だって猫ですよ?」
「相手が猫だろうと、会長のお気持ちを考えれば、面白くないに決まっています」
「なんですか、それ」
まるで火宮が猫にまで嫉妬するような言い方だ。思わず笑ってしまう。
「あぁ、何故にご本人だけが、ご自覚なされていないんっすかー」
「よくわかりませんが、じゃぁとりあえず火宮さんに聞いてみます」
「だから会長が許すわけ…ちょっ、伏野さん!どちらにお電話…」
仕事中に悪いかな、とは思ったけれど、何かあればいつでも電話をして来いと言っていた火宮の言葉に甘えてしまう。
取り出したスマホで、連絡先から引っ張り出した火宮の番号にコールすれば、もののワンコールで繋がった。
「あ、火宮さん。お仕事中すみません、今大丈夫ですか?」
ちょうど手が空いていたのか、ゆったりとした心地よい低音が響いてくる。
「え?俺ですか?俺は今買い物に出てて、その帰りで…。はい、はい、浜崎さんと一緒です。あ、それでですね…」
捨て猫を見つけて、放置できない。
そのことを伝えた瞬間。
「え…?なんでですかっ!なんですかっ、それ…。そんなのっ…」
火宮の冷たい声が冷たい台詞を吐いて、カァッと頭に血が上った。
「っ!なに、それ…」
呆然と手の中のスマホを見下ろした俺に、浜崎の恐る恐るとした遠慮がちの声が掛かった。
「ふ、伏野さん?」
「っ、なんなんですか、あの人は。駄目だ、無視しろ、そのまま捨てておけ、って」
「はぁ」
「一方的にそれだけ言って、電話切れました」
ムカつく。ムカつく!
話し合いの余地も、理由も何もなく。
一方的に、頭ごなしに。
「もういい!バカ火宮。意地悪。分からず屋。冷血。浜崎さん!」
「はっ、はい?」
「俺、今日はもう、家に帰らないです」
「はぃぃ?」
「腹が立ったから、このまま家出してやります。この子連れて、公園にでも野宿してやりますから!」
こうなったら徹底抗戦してやる。
勢いのまま言い放ち、子猫の入ったダンボール箱を手にしようとしたら、浜崎の慌てた声が割り込んできた。
「後生ですから!伏野さん!本当、頼んますって。それだけは…」
「やです。今日は流石に無理です!でも浜崎さんを巻き込んでしまうのは悪いので、浜崎さんは先に帰ってくれていいですよ」
「いやだから、それこそ無理な話でして…」
頭に血が上っている俺は、浜崎の立場を考える余裕もなかった。
「あぁぁ、家出に付き合う分には護衛で仕方なくと言えるっすけど、でもその前に、どうして説得できなかったかって。どうして止められなかったかって。真鍋幹部に叱られるー」
「名前ないよね、おまえ。どんな名前がいいかな」
「だからって伏野さんを1人でどこかに行かせるなんて以ての外だし…。あぁオレ死んだ。どう転んでも幹部の雷が落ちる…」
隣で何やら喚いている浜崎がうるさいんだけど。
「しましま模様だから、しまかな?なぁおまえ、女の子?男の子?」
ツン、と額を軽くつつけば、みゃぁ、と鳴く子猫が可愛い。
その愛らしい姿に夢中になっていた俺は、いつの間にやら浜崎が、隣でヒソヒソと誰かに電話をしていることに気付けなかった。
それに気づいたのは、ダンボール箱を抱えて、さてどこに行こうかと路地から通りへ足を踏み出した瞬間。
キッ、キッ、と音を立てて通りに止まった、黒塗りの高級車が2台、ちょうど目の前辺りに見えた時だった。
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