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デート4
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店内に入ると、若い女性の店員さんが近づいてきて、僕達に笑顔で案内してくれる。
不意に手に暖かい何かに包まれて、びくっとした。嬉しい気持ちとバレたらどうしようと焦る。
「翔くん...何してるの...?バレたらどうするの...?」
「どうもしないよ?だって、俺達のデートなんだから、他の人にとやかく言われる必要はないと思うんだ」
「そっか......」
「お客様こちらの商品はいかがですか?」
ニコニコとした笑顔で僕を見つめる。服に目を移すと、クールな感じのTシャツだった。
あんまりこういうの着ないから着てみるのもありかな。どう思うか翔くんに聞こうとして、翔くんの方を見ると、こっちを見て微笑んでいた。
「夏樹がそれでいいと思うなら、俺はいいと思うよ。夏樹なら何でも似合うから」
「一応試着してもいいですか?」
「はい!御案内致しますね!その間、そちらの方の服も選んでおきますね」
「あっ、俺は大丈夫なんで」
「せっかくですし!ね?」
そう言った女の人は翔くんを引っ張って服を探しに行ってしまった。案内してくれるんじゃないの...?って少し呆れながら、試着室を探す。
翔くんも翔くんだよ…なんでついて行っちゃうかな...もう。
「どうかなさいましたか…?」
「あっ、試着室を教えて頂きたいのですが」
目の前に現れた男の人にびっくりして、息を詰まらせる。僕コミュ障だったっけ...。
ちょっと今だけ性格変えてみようかな。もしかしたら、翔くんみたいなイケメンの雰囲気だけは出せるかも知れない!
試着して出てみたけど、やっぱり翔くんはいなかった。当たり前か…笑いそう...
たまたま僕を見つめてる女の子がいて、翔くんならどうするか考えて、微笑みかける。真っ赤になって、口を抑える姿をかわいいなとか思いながら、レジほうに走る。
突然誰かに手を掴まれて、カツラが落ちる。やばいと思って、後ろを振り返ると翔くんだった。
何故か、翔くんのカツラも落ちていて周りには、僕の同級生とかがいた。急いでるのに止められた怒りと翔くんの周りにたくさんの女子がいることの怒りが混じって逃げ出す。
「そこ何してんの?嫌がってるように見えんだけど?」
イラついて少し口調が荒くなる。嫌がってる女の子を無理やり連れて行こうとする奴の手を思いっきりつかむ。
「たすっ...けて...!グハッ...」
逃げ出そうと暴れる女の子のお腹を殴り笑っている目の前のヤツにもっのすごくイライラする。
小学校から特に何も習ってなかったけど、大丈夫かなとか今になって考えたけど、やっぱり言葉より手が先に出てしまった。
やっぱり、翔くんみたいにイライラを我慢することはできないようだ。
「今度、こんなことしようとしたらぶっ潰すよ?」
「はい!すいませんでした!よかったら、俺たちに」
「うるさいなぁ。さっさとどっかいってよ」
まだなにか言おうとする奴の口を指で抑えて、微笑みかける。ブサイクなのに何してんだろ。僕のバカ!
周りを見ると、いつの間にか翔くんと女子が集まっていた。僕に向ける視線を見たくなくて俯く。
女の子はいつの間にか逃げていたようで、安心した。
「このハンカチ使って?手何かで切られて血出てるから」
「あっ、ありがと。今度お礼するから、メールアドレスかなんかちょうだい」
自分でも相当ぶっきらぼうな言い方だったと思う。ごめんと小さく誤ってから、緑のヤツのIDをもらう
「夏樹もうk」
「なあくん大丈夫なん!?ちょっと、私の弟傷つけたん誰ね!ぶっ潰すよ?」
「奏さん...僕貴方の弟になった覚えないんですけど...」
「あれ?そうだったかしら。まあ、そんなことはいいの!」
今日も相変わらずテンション高いこの人は、翔くんのお姉ちゃんであり、僕の婚約者だ...
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