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男は無かったな……。
名前知らねぇから仕方ないよな。
あれ?聞こえてねぇのか?
「おい!そこのジャージ男!」
あっ、やっと止まった。
「ん?俺のこと?」
「あぁ」
「なんだ鈴原じゃん」
「は?」
何でこいつ、俺の名前知ってんだ……?
あっ、噂で聞いたのか。
「何でって顔してるな。俺同じクラスの蒼井奏」
「同じクラスか」
「そうそう!で?何か俺に用事?」
「あっ、数学準備室って何処?」
「数学準備室?」
「うん」
「それなら後一階上だぞ?」
「えっ……」
この階かと思って探してたのに……。
階すら違ったのか。
「そんな落ち込むなって!ほら!」
「……飴?」
「そっ、美味いから食べて元気出せ!」
「ありがとう……。てか、俺の事怖くねぇの?」
今更だが、こいつが対等に喋ってくるのが気になった。
大抵のやつは逃げるかビクビクするかの、どっちかだ。
「んー?怖かったけど喋ってみたらそうでも無かった!」
「ふーん」
「興味無さそうだな。って、やべっ!そろそろ戻らねぇと!」
「部活か?」
「そうそう!じゃあな!また明日!」
「あっうん。バイバイ」
「鈴原ってギャップすげぇな!」
ーータッタッタッ
おかしな言葉を残して蒼井奏は去って行った。
ギャップって何だ?後で如月に聞いてみるか。
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