アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
はだかの王子様5
-
「僕、いつもこうやってこの抜け道から街に出て……エドワードさん?」
「しっ、お静かに」
薄暗い小道を抜けて王宮の広い庭に出ると、何者かの気配がする。
右前方の大木からシュッと鋭い音が聞こえたかと思うと、黒い燕尾服を着た執事が何かをパシッと掴んだ。
「おや!誰かと思えばライル様ではありませんか。いやいや失礼。あまりにも小汚いお姿をされていたので、てっきりこそ泥が忍び込んだのかと」
執事は掴んだ3本の銀ナイフを胸ポケットにしまい、声のする方を睨んだ。
「っ…ユリールさんっ」
後ろに庇ったライル王子の声が震えている。
「おや、あなたは?」
月明かりに照らされて現れた金髪碧眼のユリールと呼ばれた長身の男は、執事と同じく黒い燕尾服を着ていた。
「本日からライル様の執事としてお仕えすることになりました、エドワードと申します」
執事は右手を左胸に当て頭を下げた。
「ほぅ、それは…お気の毒に。では、私はこれで。あぁ、ライル王子、夜はくれぐれも安易に出歩きませんように。何が起こるか分かりませんから」
楽しそうに微笑んだユリールは、暗闇へと姿を消した。
「ライル様、大丈夫でしたか?」
「っ…あ、ありがとうございますっ…エドワードさんこそ、」
怪我は?
と心配するライル王子に、執事は優しく微笑んだ。
「大丈夫でございます。ライル様は本当にお優しい方だ。ありがとうございます。」
執事の言葉にホッと息を着くと、ライル王子は自分の部屋へと執事を案内した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 51