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はだかの王子様7
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おはようございます。
僕はまだ夢から覚めていないみたいです。
「あぁ、おはようございます、ライル様。昨晩はゆっくりお休みになられましたか?」
この、小窓から差し込む朝日を受けてキラキラ輝いている、笑顔の素敵な人は昨日から僕の執事さんです。
フラーさんからの誕生日プレゼントだって言われたけど、僕はまだ実感が湧きません。
というか、
「…ここ、どこ?」
確か僕は、召使いさんたちからお部屋を貸してもらってて…
だけど、
目の前には、真っ白な壁に綺麗なお花の絵、
天井にはキラキラしたシャンデリア、
今寝ているベッドはふかふかとしていて、
エドワードさんはさっきから嬉しそうに紅茶を淹れてくれてる。
「あぁ。少し模様替えを」
どうしよう。
僕はやっぱりまだ夢をみているのかもしれない。
ぐぅぅぅっ
「ひぁっ//」
「ふふっ。朝食はもう出来上がっております。どうぞ召し上がって下さい。」
どうやら、夢じゃないらしい。
正直な僕のお腹が、いい匂いに釣られて盛大な音を立てたから間違いない。
「…頂きます」
ぱくっ
「っ!…美味しい…」
「お口に合えば幸いです」
「あの!…エドワードさん、模様替えって」
確かに、部屋自体の広さとか構造とかは変わってない、と思う。
ただ、中身がだいぶ…なんか、広さとかも変わってるように思えて来た…
「お気に召しませんでしたか?」
「あっ、いえ、違います!すごいです!すごく素敵です!だけど、その、たった一晩でどうやったのかなーと」
心配そうな顔のエドワードさんに、僕はすごく慌てた。
「あぁ。それなら簡単ですよ。」
「簡単?」
「えぇ」
そう言って笑ったエドワードさんは、僕に綺麗な顔を近づけて、耳元で声を潜めた。
「魔法を使ったんです」
「えっ⁈」
「しーっ、お静かに。これはライル様と私だけの秘密でございます。」
唇に長い指を当てられ、僕は慌てて口を閉じた。
「このことはくれぐれもご内密に。秘密が知られてしまうと、私は捕らえられてしまいます。」
僕は一生懸命頷いた。
だって、僕の目の前に立つこの人は、あの憧れの魔法使いさんなのだ。
エドワードさんはまたキラキラした笑顔で笑うと、僕に熱い紅茶を注ぎ足してくれた。
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