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はだかの王子様11
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王宮には様々なお部屋がございます。
用途に合わせて使い分ける為、広さや内装など異なりますが、それぞれのお部屋には色の名前がつけられております。
紅の間、蒼の間、萌葱の間、黄金の間、など数多くのお部屋がございます。
「本日のお誕生日は白銀の間にて開催られます。」
「…お父様がお好きな部屋」
えぇ、存じ上げております。
これまで、ご側室様方もライル様のご兄弟様方も誰一人としてあのお部屋を使われたお方はおりません。
あぁ、皆様の悔しがるお顔が見られるとは、今からとても楽しみでございますねぇ。
「あの、エドワードさん。ホントに変じゃないですか?」
「素敵でございます」
「ありがとうございますっ//あの、エドワードさんはその格好で、行くの?」
「執事ですから」
「…ちょっと待ってて下さい」
おや?
一体どうされたのでしょう。
机の引き出しから何かお持ちになったライル様は、私の前に立つと、小さなお手を広げられました。
「…これは」
手のひらの中のそれは、白銀に輝く天の使いが装飾された美しいバッチでございました。
「お母様が、僕に残して下さった物です」
「ライル様!そのような大切な物は、…!」
一瞬、
ほんの一瞬、亡くなられたお母様と笑われたお顔が重なり、私は不覚にも言葉を失ってしまいました。
「きっと、エドワードさんに渡す為にお母様が僕に託したんだと思います。…そんな気がするんです。だから、受け取って下さい」
アリア
あなたのご子息は、本当に素晴らしい方に育たれた。
「…心から感謝致します」
そして
心からライル様への忠誠を誓います。
跪く私の胸元に、ライル様はバッチをお付け下さると、またあの笑顔で笑われました。
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