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はだかの王子様22
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早朝、僕は眠れずに何度目かもわからない寝返りをうっていた。
エドワードさんに触れた時の香りが残っている。
昨日の夜物音で目覚めた僕は、苦しそうなエドワードさんを見つけた。
何故なのか聞けなかった。
聞いてしまったら、エドワードさんが何処かに行ってしまいそうで、僕は咄嗟に彼の名前を呼んだ。
眠れない。
窓から光が差し始め、僕は諦めて身体を起こした。
少し離れた場所にあるエドワードさんの部屋を見つめる。
あれでエドワードさんは眠れたのかな。
エドワードさんが僕にしてくれたように、少しでも安らげるなら。そんな一心だった。
ベッドから降りてエドワードさんの部屋に足を向ける。
足を進めながらあの言葉を思い出す。
「あなた様を、私だけの王子様にしたいと」
あれってどういう意味だったのかな。
エドワードさんにとって僕は、どんな存在なんだろう。
第一、どうしてエドワードさんはこんな僕の執事さんになってくれたのかな。
フラーさんに拾われたって言ってた。
はじめは魔法使いさんじゃなかったってこと?
昔のエドワードさんはどんな人だったんだろう。
僕の頭の中はエドワードさんでいっぱいになってる。
「…エドワードさん」
部屋のドアをノックする。
普段のエドワードさんなら僕がベッドから降りた時点で部屋から出てくるのに、応答がない。
ちゃんと眠れたのかも。
そう思うのに、胸がなんだかざわついた。
扉を開く。
「っ!?」
開けた瞬間、むっとする香りが鼻をついた。
「っ、?!な、に…これ」
鉄のような香りと同時に目に飛び込んだ光景に、僕は立ち尽くした。
エドワードさんが寝ていたベッドの上が黒い。
…違う
近づいて見るとそれは赤黒い大量の血液だった。
赤黒く染まったシーツを掴む手が震える。
エドワードさんがいない。
「っ!!」
僕は部屋を飛び出していた。
手のひらが血に濡れて、夜着が赤く染まることも構わず。
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