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執事。エドワードの戸惑い
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「…ライル様」
「んんっ…」
「…どういたしましょう…」
皆様こんばんは。
私エドワード・J・フラーと申します。
只今、私のベッドでスヤスヤと可愛らしい寝息を立てていらっしゃる、ライル様に仕えております。
皆様どうしてこのような状況になったのかと戸惑っていらっしゃるとお察しいたします
が
私も今、大変戸惑っております。
「ライル様…」
近頃、会食や視察続きでお疲れのご様子でしたから、私も健康面には十分に気を向けておりましたが
「…寝不足とは…」
私のような執事のベッドなど…
「…ジャッ…ク、さ…ん」
「っ、」
シーツをくしゃりと抱いて、ギュッと丸くなられているお姿が、愛らしくて愛らしくて、
私は一瞬、執事であることを忘れてしまいそうになりました。
ハッとして、唇に伸ばしかけた手をライル様の頭の後ろに入れ、ゆっくりと起こさぬように抱き上げようといたしますと、ライル様はベッドのシーツを掴んでいらっしゃいます。
「…あぁ」
そして思い出すのです。
ライル様が私に太陽のように輝く笑顔で仰ってくださった言葉を。
『僕、エドワードさんの匂いが大好きなんです』
『…えっ?』
あれはそう、
日の光が暖かい午後のティータイム
『落ち着くんです』
隣に立った私の服の裾を少しだけ掴んで、ライル様はふわりと笑って私を見上げられました。
『…光栄でございます』
『でも…エドワードさんに触れると、なんだか胸がギュッとなって苦しくなるんです。大好きなのに、ドキドキして、苦しくて』
エドワードさんは?
そう言って私を見上げられたライル様に、私はお答えすることができませんでした。
大切だから、触れられないのです。
触れてしまったらきっと
私はあなたをひどく傷つけてしまう。
「んっ、」
「…ライル様」
シーツごと抱きあげたライル様は、私の腕の中でぼんやりと目を覚まされました。
「…エドワード、さん」
「少し揺れますが、ベッドまでお運びいたします。」
そう申しますと、ライル様は頭を横に振り、私の首にギュッと抱きついてしまわれました。
そして、
「一緒に…」
と、再び眠りに落ちながら囁かれるのです。
あぁ
神よ
いらっしゃるならばどうか
どうか
この方を誰にも傷つけられない場所へお連れする手助けを。
執事としてではなくただ1人の男としてこのお方を見つめることができるように。
私はそう願うと、また一つ
秘密の罪を創るのです。
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