アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
キラキラの朝
-
ふわふわと夢の中で揺れる。
あたたかくて、気持ちよくて。
もう少しだけ眠っていたい。
朝は苦手だからもう少し…もう少しだけ。
「…ん"、っ!」
もう少し、って手を伸ばしたのに神様は酷い。
伸ばした先は何にもなくて体がストンとどこかに落ちる。
ついでに夢から追い出されて目を開いた先は冷たい床しかなかった。
…おはようございます。
折角ベッドで寝かしてもらったのに起きたのは床の上でした。
「いたた、…」
まだ少し寝ぼけたまま体を起こすと、少し向こうに見えるソファの上に探偵さんを見つける。
…まだ寝てるのかな?
それなら俺もまだ寝ようかな。
そう思ってベッドへ這い上がるとまっすぐ先にキラキラの窓が見えた。
「わぁ…っ、…すごい。」
思わず立ち上がり引き寄せられるように窓へ向かう。
生まれて初めてこんなにきれいな街を見た。
俺の記憶にはこんな広い世界なんてなかった。
街が雨に濡れて、それが朝日に照らされてキラキラと光る。
窓枠の外1面が光っていてすごく眩しい。
しばらくずっとそんな外を見ていた。
だんだん人の声がしてきて鳥が飛んで猫の鳴き声が聞こえる。
誰よりも早く目が覚めたみたいですごく気持ちいい。
それなのに探偵さんはまだ起きてくれない。
「探偵さん、疲れてるのかなぁ。」
ソファの傍まで行って寝顔を覗き込む。
眉間にシワがよって全然気持ちよくなさそう。
じっと寝顔を見ているうちにだんだん俺の方が眠くなっていく。
…きっと、まだ起きないし。
ソファの空いているところに腕を置いて腕を枕がわりに頭を乗せる。
あと少しだけ、眠ってもきっと怒られないはず。
ほんの少し、おやすみなさい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 149