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「いただきまーす!」
「火傷すんなよ。」
ポチがバタートーストを頬張り出すのを確認してから俺も齧る。
まぁ、なんていうか素朴ないつも通りの味だ。
もっと俺が家庭的なやつだったら手料理でも振る舞うが残念ながらそんな技術はない。
「美味いか?」
「んー…、うん。美味しい。」
「なんか不満そうだな。」
「美味しいってどんなのか思い出せなくて。」
「はぁ?」
「あはは、美味しいよ!うん、すごく。」
一瞬、すごく悲しそうな顔をした気がした。
美味しいがどんなのか思い出せない?
そんな哲学みたいな事言われても困る。
…美味しいって、大体のもの美味いだろ。
なんて考えてるうちにわからないとか言ってた割にすぐに平らげては満足そうに笑った。
「ご馳走様でした。」
「ん、もう腹膨れたか?」
「多分。」
「…じゃ、これからのスケジュールだけどな。」
俺も残りのパンを口に押し込み時計を見上げる。
時間は11:30頃だ。
今からやることは山ほどあるが問題はコイツをどうするかだな。
「ポチ、お前留守番頼めるか?」
「留守番?」
「電球と飯買ってくる。あとお前の服な、俺のだとでかいだろ?なんか服の好みあるか?」
「なるほど。服はなんでもいいよ。」
「それじゃ適当に買ってくる。すぐ帰ってくるから留守番を…」
「留守番忘れた。」
「…留守番忘れた。」
「忘れた。」
口の周りにパンくずをつけたままポチが首をかしげて笑う。
とりあえず待っとけ、とコイツを置いていくか。
それとも連れていくか。
「ポチ、一人でここにいるか一緒に外いくかどっちがいい?」
「探偵さんと一緒がいい。」
「…わかった、…一緒に買い物行くか。」
「うん!」
このままじゃ先が思いやられる。
今日の目標は電球を買うことだ。
…適当になんとかやるか。
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