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とにかくコイツを外に出すためには外用の服を着せないといけない。
…何着てもダボダボになるぞこれ。
「これ履いてみろ。」
「はーい」
持ってる服の中で一番小さいズボンを差し出して他に服を探す。
そもそも俺自体そんなに服を持ち合わせていないから選択肢がなさすぎる。
店についてすぐに1式服買ってトイレかどっかで着せればいいか。
「裾引きずるよ。」
「まくってやる。上は適当にTシャツでいいだろ、外に干してるから取ってこい。」
「わかった。」
ズボンの裾をまくってやるとポチがパタパタとベランダへ向かう。
相変わらずうるさい鎖の音。
…いや、待て。
首輪どうすんだよ、隠すか…?
「ポチ、帰ってこい。」
「はーい、なに?」
「…それ、鎖だけでもとっても大丈夫か?」
「大丈夫だと思うよ。」
「工具取ってくるからそのへん座っとけ。首輪は多分取れないよな、苦しくないか?」
「大丈夫。」
「よし。」
大人しく座ったポチの頭を撫でて工具を取ってくる。
割としっかりした鎖だから取れるか微妙だな、これ。
いや…でもついたまんまだと不便すぎるからな。
「探偵さん、ここ取れそうだよ。」
「お、どこだ?」
「ここ。なんかすり減ってる。」
「本当だな。金属同士擦れてんだな。…よし、首苦しかったら言えよ。」
「はーい!」
上から6つめあたりの鎖がすり減って細くなってる。
そこへヤスリを突っ込んで削っていく。
思ったより簡単に取れそうだ。
しばらく根気よく擦ってると、カキンと金属の音がして一部分だけ隙間が開く。
「…よし、取れた。痛くないか?」
「軽くなった!」
「そりゃよかった。上の6つはまたいつか考えるか。とりあえずそれでいいだろ。…後はどうやって隠すかだな。」
「お外いくから?」
「あぁ。変な目で見られると良くないからな。スカーフかストールでも巻くか?」
「すかーふ?そとーる?」
「あー…長いのか短いのどっちがいい。」
「長いの!」
「じゃ、ストールだな。そのTシャツ着ながら待っとけ。」
「うん。楽しいね、探偵さん。」
「…そうだな。」
にっこり笑ったポチにつられて笑う。
何するにしても楽しそうだ。
取った鎖をディスクへ放り投げタンスを漁る。
外に出ていろんなもん見たらもっと楽しそうな顔すんのかな、とか思うとこっちまで少し嬉しくなってきた。
まるで初めての散歩みたいだ。
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