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お世話係
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「ただいま。」
なんて言って誰もいない家に帰ってくる。
部屋は荒れっぱなし、あちこちものが散らかって脱いだ服も置きっぱなしだ。
ついでに机の上は食べっぱなし。
「あー…明日は片付けの日だな。」
「やること沢山だね。 」
「今まで一人だったからな、誰にも気使ってなかったんだよ。」
「俺に気使ってる?」
「あぁ、最低限のはな。」
「…なるほど。」
買ってきたものを冷蔵庫に詰めて服はベッドのそばへ置くだけ置く。
疲れたし電球変えて少し休むか。
まだ時間も夕方だ。
「よしポチ、こっち来い。」
「なに?」
「椅子おさえとけ、俺が電球変えるから。」
「任せて。」
ガタがきてる椅子に乗って電球へ手を伸ばす。
前に変えたのはいつだったか。
今までご苦労さま。
古い電球をズボンのポケットに突っ込んで新しいのをはめ直す。
「一人の時どうやってた?」
「ガタガタしながら変えてた。」
「あはは、想像したら面白いね。」
「一人だからな。」
「二人と一人どっちがいい?」
「んー、…まぁ二人でいて損はしてない。」
「よかった。ちゃんと依頼解決するまで追い出さないでね。」
「あぁ。」
「約束だよ。」
下からポチがそう言う。
追い出したとこでどうせ行く所はないんだろう。
「あぁ、約束だ。」
「えへへ。嬉しいなぁ。家族みたい。」
「記憶が戻ったら本当の家族の所に帰れよ。」
「うん、もちろん。」
電球をつけ終えて椅子を降りる。
これで夜も安心だ。
ポチの頭をクシャクシャ撫でて褒めてやる。
「よくできました。」
「当然。」
「さて、夜までまだ時間あるし昼寝でもするか。」
「もう夕方だよ。」
「それじゃ夕方寝だ。」
ポチの背中を押してベッドへ連れていく。
コイツも昨日の今日で疲れてるはずだ。
ベッドへ上がったポチを寝るように促し俺もその下へ寝転がる。
仮眠でベッドに寝たら起きれないからな。
「それじゃ、1時間だけな。」
「この服のまま寝ていいの?」
「風呂の時また着替えるの面倒だろ。このままでいい。」
「がさつだ。」
「がさつでいいんだよ。大人だからな。」
「怒られるよ。」
「誰にだ?」
「…誰にだろう。」
「ほら、いないだろ。くだらないこと言ってないで寝ろ、おやすみ。」
ベッドへ背を向けて寝る。
迷惑かけない範囲で適当に生きるのは才能なんだ。
また夜、こいつの世話をするんだから。
少し休憩だ。
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