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オムライスを先に食べ終えたポチが俺の方をじっと見てくる。
そんなに見られたら食べられるものも食べられない。
「なんだ?」
「ううん、こうやって作ったの食べてもらえたら嬉しいなぁって。」
「あ?飯ぐらいいつでも食ってやるぞ。」
「ほんと!?」
「…嬉しいのかそれ。」
「うん、すごく。」
「へぇ…」
主婦顔負けのこの味、それに台所も綺麗だった。
恥ずかしながら家事なんて全くできない俺とは正反対だ。
…あくまで本人の意見を尊重するとして。
「お前、家事は好きか?」
「家事?」
「あー…飯作ったり、片付けとかそうじとか。」
「うん。好きだよ。」
「お前がもし嫌じゃないなら…頼めないか?ほら、俺はこの通り家の事はやりっ放し置きっぱなしだからな。」
「探偵さんがいいなら。…やりたい。」
ニッ、と笑顔でポチが頷く。
俺が適当な飯を食わせるよりこっちの方がよっぽどいい。
…その分なにか御褒美でもやらないとな。
「ありがとう、俺も出来る時は手伝う。早速今日から頼めるか?」
「うん、任せて!探偵さんのお世話係だね。」
「調子に乗んなよ。…まぁ頼りにしてるぞ。その代わり、なんか欲しいもんとかあるか?好きなのやるぞ。」
「何にもいらない。」
「あーさっさと依頼やれって事か。…それもそうだな。」
「え、ぁ…いや…ううん、それも…だけど。」
「なんだ、はっきり言えよ。」
「えっと…」
ポチが急に慌てて首を振る。
耳まで赤くて様子がおかしい。
…ものもいらない、依頼も違う。
それならコイツ何が欲しいんだ?
「…一緒に、いてくれるだけでいいよ。」
「は?」
「んん…、なんでもないよ。依頼頑張ってね。…俺はお皿の片付けする!」
「なんだお前…あー、俺の分は俺が持ってくから。」
様子のおかしいポチを見ながらため息をつく。
本当によくわからないやつだ。
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