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探偵さんと要さんのお仕事を邪魔しないようにベッドの上に座って遠くから見つめる。
…さっきはびっくりした。
要さんは距離感が近い。
しばらくぼーっとしているとお仕事が終わったのかふたりが姿勢を崩して笑い声が聞こえてきた。
「ポチ君、おいで。」
「…はい。」
「そんなに固くならなくていいよ。俺の名前は要。情報屋として君のご主人様の仲良くさせてもらってるんだ。君は?」
「俺は…ポチ、です。探偵さんとは偶然出会って…面倒見てもらってます。」
「なるほどね。それで?人嫌いの君がなんでこんな子引き取ったわけ?」
「人嫌いってな…まぁ、気まぐれだ。」
探偵さんが人嫌い…?
そんなふうには見えなかったのに。
優しくしてくれて…それに、こんなふうに面倒見てくれてるのに。
要さんが笑いながら俺の髪に触れる。
「顔をよく見せて、君を知りたいんだ。」
「…え、っと…」
「…探偵さん、この子のことちゃんと調べた?」
「バタついてたからな。まだ、そんなには。」
「へぇ。友情料金だよ。…歳は17,8だね。血は…2つ上くらいに欧州の血が入ってる。あとは、…あれ。」
「どうした?」
「いや、なんでもない。またしっかり見せてよ。顔見ただけじゃわからないからね。今の当たってた?」
俺の目を見て要さんが早口でそこまで話し終える。
…気持ち悪い。
なんでそんな風に人の事がわかるんだろう。
探偵さんと要さんの目線を向けられて声が出なくなる。
言わなきゃ、ほら。
「ポチびびってるじゃねぇか。お前怖いんだよ。」
「え?どこが?こんなに優しそうなのに。」
「何もかもがだ。ポチ、こいつ悪いやつじゃないんだ。お前の力にもなってくれると思うし…」
「…忘れた!」
「あぁ…?」
「さっきの、あってるかって…忘れちゃってわかんない。ごめんなさい。」
「そっかそっか、君は記憶喪失だっけ。それじゃ仕方ないね、記憶探しの手がかりにしてよ。」
パッと笑顔になると、両手で顔を両側から挟まれ撫で回される。
探偵さん以外に触られると少し怖い。
俺、本当の犬みたいだ。
探偵さんに助けて、って言おうとしたのに要さんの声に遮られる。
「探偵さん、俺肉まん食べたい。」
「買ってこいよ。」
「駅前の肉まん。アレくれなきゃ暴れちゃうかも。」
「…あのな。」
「ほら早く、ポチ君とお留守番しとくから。」
「お留守番…?」
「そうだよ、お留守番。ここでイイコで待ってること。」
「…お留守番。」
「あーわかった。お前、絶対いらないこと吹き込むなよ。」
「もちろん。」
要さんの腕の中で動けない。
探偵さん、俺一緒に行きたいよ。
知らない人は少し怖いよ。
「探偵さん、…」
「すぐ帰ってくるからイイコで待っとけ。」
「…わかった。」
探偵さん言うことは聞きます。
聞くけど、悪いことはしないけど。
…でも。
「さ、ポチ君。お話をしよっか。」
この人 は少し 怖い。
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