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アイツが出ていったのを確認してポチ君へ声をかける。
さっきまでとはまるで表情が違う。
何かと重ねているような…保護された子供によく見られる目だ。
「俺はあの探偵の友達だよ。」
「…だから?」
「君へ手を出したり傷付けることはしない、物理的にはね。」
「物理的…?」
「その言葉の意味も忘れた?」
「はい。忘れました。」
「そっか、君は日本語が苦手なんだね。ここにいれば少しずつ覚えられるよ。君はすごく運がいい。アレに拾われてよかったね。」
「…どうして?」
「アレはこの世で一二を争うお人好しだからさ。」
不安そうなポチ君の頭を撫でて笑う。
本当のことだ。
アレくらい頭が悪くてお人好しなやつはそういない。
だからこんなのを連れて帰ってきたんだろうけど。
「探偵さん…そんなに優しいんだ。」
「そりゃね。ところで君、ここに来る前はどこにいたんだっけ?」
「えっと…忘れました。」
「そっか。前のご主人様は怖い人だった?」
「…忘れました。」
何もかも忘れたことになってる。
うーん、予想通りの子だ。
アイツだってこの子がただの迷子じゃないことくらいわかってるはずだ。
…でもこれは桁違いに面倒かもしれない。
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