アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
肉まんをたいらげた要が指を舐めながらポチを指さす。
対してポチは肉まんと格闘中だ。
「オムライスは覚えてて肉まんは覚えてない、トイレは思い出せて風呂場は思い出せない。…共通点はなんだろう。」
「…わかった、思い出せた方はカタカナだ。」
「お手洗いって言ったら終わるよそれ。」
「惜しいな。」
「本当、君の脳みそ小学生だよ。」
要に呆れられる。
悔しいが言い返せない。
この職業を名乗ってるが特に今までなにか事件を解決した覚えはない。
それどころか謎解き自体が人よりはるかに苦手なんだ。
なぞなぞすら解けない。
「僕の推理は…あぁ、そうだ。僕が解いちゃだめなんだっけ。」
「あ?」
「いや、えーっと…ほら。君だってそろそろ探偵らしく解決するべきだよ。だから、ポチ君に関しては君一人で解決した方がいいかなって。ね、ポチ君。」
「へ?あ、…はい。」
「一生解けなくても怒んなよ。」
「うん、怒らないよ。」
「いや、そこは少しは怒れよ。」
はぁ、とでかくため息をつく。
とりあえずコイツの足を探すのが一番だが今は少し忙しい。
なんたって依頼が3つは立て込んでる。
悪いが依頼は受けた順に取り組むのが決まりだ。
「まぁ急がなくてもいいだろ、急に思い出すかもしれないしな。」
「そうだね。」
「要、情報提供は頼むぞ。」
「任せて。誰よりも早く正確にね。」
「頼りにしてるぞ。ほら、ポチも一応頼んどけ。」
「ん、っ…あちち、えっと…お願い、熱っ…」
「肉まん一回おけよ。」
なんて言って笑っていた。
さっきまでガチガチだったポチもようやく慣れ始めたらしい。
要と案外ウマが合ったのかもしれない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 149