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きちんと呼吸をするようになったポチが心配そうな顔で俺を見上げてくる。
やっと意識がしっかりしてきてみたいだ。
「もう大丈夫か?」
「うん、ごめんね。」
「謝らなくていい。風呂入るだろ?着替え出しとくから行ってこい。」
「…何も聞かないの?」
「聞かれたかったか?」
そう言うとポチは黙って首を振った。
カシャンと鎖の擦れた音が部屋に響く。
いくら頭の弱い俺でも聞かれたくないことくらい察せる。
「無理に問い正せば何かわかるのかもしれない。でも、それで解決しても何も嬉しくないだろ。」
「…うん。」
「でも…そうだな。今日の症状は明らかにおかしい。思春期の…とかじゃない。その当たりの心当たりはないか?」
「…忘れた。」
「それじゃ仕方ないな。出したらもう治ったか?」
「うん。」
「ならこれからもそうすればいい。」
またなにか起これば対処すればいい。
今は以下にこいつが安心してちゃんと暮らしていけるかだ。
その後の事は俺が考えればいい。
元気を取り戻したポチを風呂へ見送って着替えを持っていきすぐにソファへ寝転がる。
過去、何があったのか。
きっとそれがあの体にも関係してくる。
「…クスリ、とかしてねぇといいけどな。」
もし指名手配犯だったらやばいな。
なんて馬鹿なことを考えていた。
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