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ポチと二人でどうでもいいワイドショーを見ていた。
別に政治家が何をしたかとか、芸能人が不倫しただとかそんなの俺達には関係ない。
「探偵さん、この人泣いてるよ。」
「あぁ不倫されて悲しいんだろうな。」
「…泣いてるの、みんな見て嬉しいのかな。」
「他人の不幸は蜜の味って言うだろ。人のスキャンダルみて喜ぶんだよ。」
「ふぅん…泣いてるのは嬉しいんだ。」
「違う、そうじゃない。…そうじゃないけどなんて言うんだろうな。暇なんだよ。だから、こう…変わったことを好んで見るんだ。」
「難しいね。俺トイレいってくる。」
「おう。」
ポチが難しそうな顔でトイレへと向かう。
何もかも忘れて真っ白なポチに変なことを教えたらどんな奴になるかわからない。
泣いてるのを見るのが嬉しい、なんて教えたら誰に怒られるか。
というかこんな説明しにくい感情を持ってること自体が面倒くさい。
「あ、ポチの好きなコーナー来たぞ。」
「嘘、ちょっと待って!」
「俺が待ってもテレビは待たねぇだろ。」
テレビの画面には料理コーナー。
テレビを見始めた頃から、ポチが一番食い入ってみるのはどの番組でも料理コーナーだった。
気に入ったり、俺が美味そうだと言ったら決まって作りたがる。
こいつは自分が食うよりも人に食べさせて感想を聞くのが好きらしい。
「今日は何ー?」
「夏野菜のハヤシライスって言ってるな。」
「ハヤシライス!…ただいま、よし間に合った。」
「おかえり。ハヤシライス食った事あるか?あれは美味いぞ。」
「美味しいんだ。」
じっと画面を見ながらポチが興味ありげにそう言う。
まぁ俺からすれば何でも美味いんだが。
俺としては1度はポチが"美味しい!"なんて言って感動するところを見てみたいもんだ。
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