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リビングへ戻るともうポチが玄関で準備万端で待っていた。
まるで散歩待ちの犬みたいだ。
「早く行こうよ。」
「あぁ、あと少し待っとけ。なんか依頼があるって来てたんだよ。」
「すごい。どんな依頼?事件?」
「いや人探しだ。帰ってからまた見とく。…そういやこのクソ暑い時にゴツいスーツ着てたな。アレ高いやつだぞ。」
「…夏にスーツ?」
「あぁ。汗一つかいてなかった。…さっきの違和感はそれか。」
「ん、……そっか。」
元気満々だったポチが途端に元気をなくす。
本当にこいつは喜怒哀楽が激しい。
そんな話より早く買い物に行きたいってことか?
「すぐ準備するから靴履いて待っとけ。」
「うん、わかった。」
笑顔で応答するポチがどこかおかしくて首を傾げる。
…なんか変だがどこがおかしいのかわからん。
また後で考えればいいか。
それよりも、と急ぎ足で部屋へ戻る。
最低限の物だけポケットに詰め込んで玄関へ向かうとぼーっとポチが斜め上を見て固まっていた。
「おい、どうした?」
「…ううん。なんでもないよ。」
目線の先を見ても何も無い。
まぁ、なんでもないって言うならなんでもないんだろう。
「それじゃ行くか。」
「うん。」
俺も続いて靴を履いてはポチの背中を押した。
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