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約束の時刻ちょうどにインターホンが鳴る。
俺はネクタイをギュッと締め出来るだけ顔を引き締めてドアへ手をかけた。
門の外には相変わらず真夏にスーツを着込んだ男が立っていた。
「どうも。」
「お忙しい中、お時間を作ってくださりありがとうございます。どうぞ今日はよろしくお願いします。」
「…あぁ、はい。暑いのでどうぞ中へ。」
「失礼します。」
整った敬語に腰が引ける。
こういう時は俺もそれなりの言葉を返すべきなのか?
でも、要に世界一礼儀が似合わない男と言われたことがあるレベルの人間だ。
背伸びはしなくていいだろう。
「お茶で良かったですか?」
「お気になさらず。早速ですが、先日の封筒の中身はご確認頂けましたか?」
「あぁ、…見ました。」
「あの子を探して頂きたくて。」
「…わかりました。依頼を受ける前にいくつか質問をしてもいいですか?必要な情報…と言いますか。」
「構いません。」
案外すんなりと話が進む。
まぁ依頼してくるくらいだ、その覚悟で来てるのかもしれない。
これですべて話してくれなかったら依頼は断ろう。
「まず、貴方のお名前は?」
「佐々木と申します。」
「佐々木さん。貴方と、あの探し人の関係は?」
「…保護者と被保護者ですね。」
「それは法律上間違いないですか?」
「えぇ。」
親子…いや、保護者と被保護者は曖昧な日本語だ。
店で管理しているだけでもその言葉は当てはまることになる。
佐々木の切れ長の目が真っ直ぐと俺に向く。
嘘をついているようではないようだ。
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